介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 資格・就職・転職 介護福祉士の受験資格とは?資格取得のメリットや受験方法を解説します!

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投稿日:
2023-03-09

更新日:
2026-09-28

介護福祉士の受験資格とは?資格取得のメリットや受験方法を解説します!

介護福祉士は国家資格であり、介護の専門性が高い資格です。専門知識と技術を生かして、要介護者に最適な介護サービスが提供できる、やりがいのある仕事です。
 
この記事では、介護福祉士国家試験の受験資格や申し込み方法・介護福祉士資格を保有するメリットについて解説しています。
 
介護福祉士の資格があれば、資格手当で収入が増える可能性もあります。また、自身のスキルアップにもつながるでしょう。

介護福祉士とは

介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格です。高齢者や身体障害者の日常生活をサポートする専門職として、食事・入浴・排泄などの身体介護から、利用者の心理的ケアまで幅広い業務を担当します。

介護職員初任者研修や実務者研修とは異なり、「介護福祉士」は国家試験に合格した方のみが名乗れる資格です。そのため、介護現場では信頼性の高い資格として位置づけられており、チームリーダーや指導的な役割を期待される場合も多いでしょう。また、介護保険制度においても重要な役割を果たしており、サービス提供責任者や自治体によっては生活相談員などの職種に就くための要件としても用いられています。

介護福祉士の受験資格がある人

介護福祉士の国家試験を受験するためには、定められた受験資格を満たす必要があります。主な受験ルートは以下の3つに分かれており、それぞれ異なる要件が設定されているのが特徴です。ここでは、具体的な要件について詳しく解説します。

介護福祉士養成施設を卒業した人

介護福祉士養成施設を卒業することで、最も確実に受験資格を得られるルートです。養成施設には2年制の専門学校や短期大学、4年制大学などがあり、厚生労働大臣などの指定を受けた施設で学ぶ必要があります。

養成施設では介護技術だけでなく、医学的知識や心理学、社会福祉制度まで体系的に学習できるのが特徴です。また、現場実習も充実しており、卒業時には即戦力として活躍できる知識とスキルが身につくでしょう。

専門学校や大学といった養成施設はまとまった学費がかかるものの、専門的な教育を受けられる点が大きなメリットといえます。

3年以上の実務経験と実務者研修を修了した人

介護現場で働きながら資格取得を目指す最も一般的なルートが、実務経験による受験資格の取得です。介護職員として3年以上の実務経験を積み、さらに実務者研修を修了すれば受験資格を得られます。

実務経験は介護福祉士法で定められた施設や事業所での勤務が対象となり、訪問介護や通所介護、特別養護老人ホームなどが該当します。実務者研修は約6ヶ月(450時間)のカリキュラムで構成されており、通学だけでなく通信講座の選択も可能です。働きながら学習を進められるため、経済的な負担を抑えつつ資格取得を目指せるでしょう。ただし、仕事と勉強の両立には時間管理が重要となり、計画的な学習スケジュールの作成が欠かせません。

福祉系高校や特例高校の卒業生

福祉系高校や特例高校を卒業した人も、介護福祉士の受験資格を得られます。福祉系高校とは、介護福祉士養成課程のある高等学校を指し、高校在学中から専門的な介護教育を受けられる点が特徴です。

2009年度以降の卒業生は筆記試験のみの受験となっています。また、特例高校の卒業生については、卒業後9か月以上の実務経験を積めば受験資格を得られます。

福祉系高校ルートの場合、高校卒業と同時に受験資格を得られるのがメリットといえるでしょう。ただし、福祉系高校の数は限られているため、進学時に十分な情報収集が必要です。

従業期間・従事日数の計算の仕方

実務経験の従業期間は、対象となる事業所と職種で決まります。従業期間は、雇用契約に基づき、産休や育休・病気休暇などの休職期間も含まれます。

ただし、有給や特別研修などで、実際に介護に従事していない日数は、従事日数として計算されません。複数の事業所を掛け持ちし、同じ日に介護業務をした場合でも、1日として従業期間・従事日数として計算されます。その場合、1日の勤務時間は問われません。

介護福祉士国家試験の受験申し込み条件には、従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上であることが求められています。それに加え、実務者研修の修了、または介護職員基礎研修および喀痰(かくたん)吸引等研修の修了も必要です。これらの条件は受験年度の3月31日までに満たせば受験資格を得ることができます。

介護福祉士の国家試験の内容

介護福祉士の国家試験は年1回実施される筆記試験で、全国統一の基準で行われます。試験は社会福祉振興・試験センターが実施しており、受験者数は毎年7万から8万人ほどの比較的大規模な試験です。

以下では、試験の具体的な実施内容や費用について詳しく説明します。

試験日程

介護福祉士の国家試験は、毎年1月下旬に実施される年1回の試験です。試験日は例年1月の最終日曜日に設定されています(例:2026年度の試験の場合、2027年1月31日に実施)。

試験の申し込み期間は7月下旬から9月上旬までの間で、この期間を過ぎると受験できません。合格発表は、3月に試験センターホームページ上で行われます。年1回しか実施されない試験のため、体調管理と事前準備を万全にして臨みましょう。

合格基準

介護福祉士国家試験の合格基準は、総得点の60%程度を目安とし、125問中75点程度が合格ラインとされています。ただし、出題の難易度により若干の調整が行われています。

さらに重要なのは、11の科目群すべてにおいて合格基準(各科目群での得点)を満たす必要がある点です。どれか一つでも満たしていない領域があると不合格となるため、全領域の学習をバランスよく進めることが合格の鍵となります。

過去5年の合格率は70%以上で推移しているため、十分に対策をすれば合格可能な水準といえます。苦手分野を作らず、基礎知識を確実に身につけましょう。

試験地

介護福祉士の国家試験は、全国35か所で実施されます。主要都市に試験会場が設置されており、受験者は居住地や勤務地に近い会場を選択することが可能です。

ただし、一部の県では試験会場を設けていないため、隣接の都道府県での受験が必要となる場合があります。

出題形式

介護福祉士の国家試験は、全125問の五肢択一方式で実施されます。1問1点の配点です。

問題は単純な知識を問うものから、事例問題や状況判断を求める応用問題まで幅広く出題されます。マークシート方式のため、問題番号と解答欄の確認を十分に行い、マークミスのないようにしましょう。

出題領域

介護福祉士国家試験は、4つの領域と総合問題から出題される構成となっています。出題領域は以下のとおりです。

出題領域(4領域)出題科目(全13科目)
1.人間と社会・人間の尊厳と自立
・社会の理解
・人間関係とコミュニケーション
2.介護・介護の基本
・コミュニケーション技術
・生活支援技術
・介護過程
3.こころとからだのしくみ・こころとからだのしくみ
・発達と老化の理解
・認知症の理解
・障害の理解
4.医療的ケア・医療的ケア
総合問題・総合問題(4領域を横断する事例形式で出題)

各領域からまんべんなく出題されるため、特定の分野だけを重点的に学習するのではなく、全領域の網羅的な勉強が必要です。過去問題集を活用して各領域の出題傾向を把握し、苦手分野を重点的に対策しましょう。

費用

受験手数料20,510円の支払いには、案内手順に従い、クレジットカード決済またはコンビニエンスストア支払いから選択します。申し込み期限までに支払いを完了させないと受験申請が無効となるため、遅れずに手続きを済ませる必要があります。

合格後は登録免許税として9,000円、登録手数料として3,320円が必要となります。

受験手数料や登録関連費用以外にも、実務者研修を受ける場合は受講費用が別途必要となるため、受験ルートによってかかる費用を予めシミュレーションしておくとよいでしょう。

参考

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|[介護福祉士国家試験]よくあるご質問:質問・回答一覧

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|[資格登録]新規登録の申請手続き

介護福祉士の国家試験を受験する方法

介護福祉士の国家試験を受験するには、決められた手順に従って申し込み手続きを完了させる必要があります。以下では、受験申し込みから試験当日までの具体的な流れを追って解説します。

自分に合ったルートで受験資格を満たす

介護福祉士の受験を検討する際は、前述した養成施設ルート、実務経験ルート、福祉系高校ルートの3つから、自分の状況に適したものを選びましょう。

例えば、現在介護職として従事している方は、実務経験ルートが選択肢となります。一方、これから介護分野に入る方や、確実な知識習得を望む方は、養成施設ルートを検討しましょう。

それぞれのルートには費用面や期間、学習方法が異なるため、ライフスタイルや経済状況を考慮して判断しましょう。

試験センターの公式ホームページで申し込みをする

介護福祉士国家試験の申し込みは、社会福祉振興・試験センターの公式ホームページからオンライン上で行います。試験概要を確認したうえで手続きを進めましょう。

受験手数料を支払う

案内手順に従い、申し込み期限までに支払いを完了させましょう。手続きが遅れると受験できなくなってしまうため、早めの決済をおすすめします(※詳細は「費用」の欄を参照)。

必要書類の提出

受験申し込みには、受験資格を証明するための必要書類の提出が求められます。提出書類は選択した受験ルートによって異なるため、自分のルートに該当する書類を漏れのないように準備しましょう。

実務経験ルートの場合は、実務経験証明書と実務者研修修了証明書が必要です。実務経験証明書は勤務先の施設長や管理者に作成を依頼し、証明書の内容に誤りがないか十分に確認してください。養成施設・福祉系高校ルートでは卒業証明書もしくは卒業見込証明書が求められます。

書類の取得には時間がかかる場合があるため、申し込み期間が始まる前から準備を進めておくと安心です。また、提出書類に不備があると受験できないため、受験の手引きを熟読して漏れがないよう確認しましょう。

試験当日に会場まで足を運ぶ

試験当日は、受験票に記載された試験会場に指定された時間までに到着しましょう。試験開始時刻は午前10時ですが、余裕を持って移動しておきたいものです。会場への交通手段は事前に確認し、電車の遅延や交通渋滞を考慮して早めに出発すると安心です。

また、試験時間が比較的長いため、昼食の準備や防寒対策なども忘れずに行い、万全の状態で試験に臨みましょう。

介護福祉士の資格を取得するメリット

介護福祉士の資格取得には、国家試験を受験することを前提として養成施設を卒業するか、一定の実務経験を積むことが求められます。したがって、思い立ってすぐに取得できる資格ではありません。取得するには時間がかかりますが、その分、得られるメリットは大きいといえるでしょう。ここでは主なメリットについて詳しく解説します。

資格手当を受給できる

多くの介護施設では、介護福祉士の資格を持つ方に資格手当が支給されます。処遇改善加算を取得している事業所では、保有資格やキャリアパスに応じて手当が支給されます。

処遇改善加算とは、研修の実施や資格に応じた昇給の仕組みであり、段階的に金額が変わります。条件によっては、給料に数千円から数万円の手当が上乗せされることもあるでしょう。

さまざまな介護現場で活躍できる

介護福祉士の資格があれば、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、幅広い介護サービス事業所で働く機会が広がります。国家資格としての信頼性が高いため、多くの事業所で歓迎される人材となるでしょう。

また、結婚や出産など、ライフスタイルの変化に応じて職場を選択する自由度も高まります。

高待遇の職場で働ける可能性がある

介護福祉士の資格を保有していると、より好条件の職場への転職機会が増えるでしょう。国家資格保有者を優遇する施設が多いため、基本給や賞与の面で無資格者との差別化が図れます。

特に人材不足が深刻な介護業界では、有資格者の確保が重要な課題となっており、高待遇での求人が数多く出されている傾向です。また、研修制度が充実した大手法人や、福利厚生が手厚い施設からの求人も多く、長期的なキャリア形成に有利な環境を選択できます。

介護福祉士以外の資格取得要件が得られる

介護福祉士の資格を取得すると、他の資格の取得要件を得られる場合があります。主要な資格は以下のとおりです。

・ケアマネジャー(介護支援専門員):保健師・看護師・社会福祉士・介護福祉士などの国家資格を有し、保健医療福祉分野での実務経験5年以上かつ従事日数900日以上

・認定介護福祉士:介護福祉士の資格取得後、実務経験が5年以上

・ファーストステップ研修:介護福祉士登録後の実務経験年数が2年から3年

介護福祉士の資格保有によって、専門性の向上やキャリアアップを図れます。将来的な目標に応じて研修や勉強に取り組みましょう。

介護福祉士の資格はメリットが多い!専門知識を生かした支援ができる

今後、日本では高齢者の増加により、専門的な支援ができる介護福祉士の有資格者が求められます。

無資格でも介護の仕事に就けないわけではありませんが、介護福祉士の資格があれば、即戦力として働けます。転職の際にも有利なうえに、資格手当などで給与アップも望めます。

介護の仕事を専門的に学びたいと考えている方は、介護福祉士の資格を取得することがおすすめです。

コラム記事執筆者

かな
作業療法士/呼吸療法認定士/福祉住環境コーディネーター2級/
がんのリハビリテーション研修修了

身体障害領域で15年以上勤務し、特に維持期の患者さんの作業療法や退院支援に携わる。臨床と並行して、ライターとしても活動している。