介護情報メディア ケアケア 一般介護向けコラム 介護サービス・制度 【令和4年度最新】介護保険の申請に必要なものは?申請方法や手続きの流れを徹底解説!

介護サービス・制度

2022-12-20

【令和4年度最新】介護保険の申請に必要なものは?申請方法や手続きの流れを徹底解説!

介護保険サービスを利用したいと思っても、申請方法がよくわからないという方もいるでしょう。介護保険サービスを利用するためには、要介護認定の申請をおこない要介護(要支援)の認定が必要です。

 

そこで今回は、介護保険認定の申請方法から、認定を受けるまでの流れや必要なものについて紹介します。介護保険の申請について知っておくと、スムーズに手続きがおこなえるため、早めの申請がおすすめです。

 

これから在宅介護を始める人、高齢の家族を介護している人は、ぜひ参考にしてください。

介護保険の申請方法

介護保険のサービスを受けるときには、要介護要支援認定の「申請」が必要です。
ここでは、その申請方法について確認していきましょう。

申請する場所

要介護・要支援認定の申請は、市区町村の担当窓口で受け付けています。市区町村によって「介護保険課」や「高齢者福祉課」など窓口の名称が異なるため注意しましょう。

申請できる人

介護保険の申請は基本的に本人がおこないます。ただし、本人が入院中で申請に行けない場合や認知症などで判断ができない場合は、家族や地域包括支援センターの職員、ケアマネージャー成年後見人などの代行申請も可能です。本人が入院中の場合は病院のソーシャルワーカーが代行することもあります。

申請に必要な3つのもの

介護保険の申請に必要なものは以下の3つです。

・介護保険認定申請書
・介護保険保険者
・マイナンバー

介護保険認定申請書

介護保険の申請には「介護保険認定申請書」が必要です。この書類は、役所や地域包括支援センターの窓口で入手できるほか、自治体のホームページからもダウンロードできます。自宅で記入してから申請に行くとスムーズに手続きがおこなえるでしょう。

介護保険被保険者証

65歳以上(第1号被保険者)は「介護保険被保険者証」を添えて介護認定の申請をおこないます。介護保険被保険者証は、65歳を迎える前に市区町村から自宅へ郵送されます。万が一、紛失した場合は、事前に申請の担当窓口へ相談してください。

一方、40〜64歳(第2号被保険者)の人が申請する際には、介護保険被保険者証がまだ交付されていないため保険証が必要となります。

マイナンバー

申請時には、個人番号がわかるマイナンバーカードやマイナンバー通知書の提示が必要です。(市区町村によって不要な場合もある)

また、身元確認のために顔写真入りの運転免許証やパスポート、障害者手帳なども持参しましょう。顔写真入りの証明書がない場合は、年金手帳や後期高齢者医療被保険者証が身元を証明するものとなるため提示が必要です。

なお、本人以外が申請する場合は「委任状」と代理人の身元を証明するもの(運転免許証など)が必要です。「委任状」についても、役所の窓口や自治体のホームページから入手できます。

介護保険申請の流れ

介護保険サービスを受けるためには、要介護・要支援認定の申請が必要です。ここでは、申請から介護サービスを受けるまでの流れをご紹介します。

【介護保険申請の流れ】

1.申請書の提出
2.訪問調査
3.主治医意見書
4.一次判定
5.二次判定
6.認定結果の通知
7.サービス計画書の作成

それぞれの項目について見ていきましょう。

申請書の提出

申請書は介護被保険者証などと一緒に市区町村の担当窓口へ提出します。受理されると、提出した介護保険被保険者証の代わりに「介護保険資格者証」が交付されます。

介護保険資格者証は、認定結果が通知されるまでの一時的な被保険者証となるため、新しいものが届くまで失くさないように持っておきましょう。

訪問調査

申請書を提出してしばらくすると、市区町村から訪問調査日の連絡が入ります。都合のよい日を伝えましょう。ただし、土日や祝日は基本的に調査をおこなっていません。

訪問調査は、調査員が自宅などへ訪問します。調査にかかる時間は約1時間です。入院中や施設利用中の場合は、病院や施設まで調査にきてくれます。

主治医意見書

申請書に記載した主治医に自治体が意見書(主治医意見書)の作成を依頼します。そのため、申請者が主治医の意見書を申請することはありません。ただし、主治医がいない場合は、自治体が指定した医療機関への受診が必要です。

一次判定

要介護認定の一次判定は、厚生労働省が作成した全国一律の判定ソフトを使ってコンピュータで判定します。

具体的には、訪問調査の結果と主治医意見書の一部の項目をコンピュータに入力し、申請者本人の「要介護認定等基準時間」(介護の手間がどの程度かかるか)を算出します。調査票の控えなどがあれば、インターネットを使ってシミュレーション診断が可能です。
※この段階では介護度は決定していないため、シミュレーション結果に過度な期待はしないようにしましょう。

要介護基準時間と、要介護度については以下の表の通りです。

介護度要介護認定等基準時間(1日あたり)
非該当25分未満
要支援125分以上32分未満
要支援2・要介護132分以上50分未満
要介護250分以上70分未満
要介護370分以上90分未満
要介護490分以上110分未満
要介護5110分以上

二次判定

次に「介護認定審査会」にて二次判定がおこなわれ、一次判定の結果・訪問調査時の特記事項・主治医意見書にもとづき、要介護・要支援の区分が決定します。

なお「介護認定審査会」とは、介護認定の審査判定をおこなう機関で、市区町村から任命された保健・医療・福祉の学識経験者5名ほどで構成されています。

認定結果の通知

認定結果は、申請日から30日以内に本人宛に結果通知書と、非該当(自立)・要支援1.2 ・要介護1〜5のいずれかが記載された被保険者証が自宅に届きます。

しかし、主治医意見書の遅延や訪問調査に日時を要するなどの理由により30日を超える場合も少なくありません。その場合は、市区町村から認定結果の通知が遅れている理由と見込み期間を通知する「認定等延期通知書」が送付されます。

なお、介護認定審査会で「介護の必要はない」と判定されると「非該当(自立)」の通知が届きます。非該当の人は、介護保険による基本的に介護保険サービスは利用できませんが、市区町村が実施する介護予防・生活支援サービスを利用できる場合があります。

サービス計画書の作成

認定後、介護サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書の作成が必要になります。

認定結果(要支援・要介護)によってサービス計画書の作成を依頼する窓口が異なるため注意が必要です。

要支援1・2の窓口

「地域包括支援センター」が窓口です。ケアマネージャーとして地域包括支援センターの担当者がつきます。(地域包括支援センターの状況により、委託された居宅支援事業所のケアマネージャーが担当する場合もある)サービス担当者会議などをおこない「介護予防サービス計画書」を作成し、利用するサービス事業所との契約後、利用開始となります。

要介護1〜5の窓口

市区町村の指定を受けた「居宅介護支援事業所」が窓口です。所属する介護支援専門員(ケアマネージャー)とともに「介護サービス計画書」を作成し、利用する介護サービス事業所を決めていきます。

なお、介護(介護予防)サービス計画書の作成は全額が保険給付となるため、自己負担はありません。

申請書の書き方と注意点

次に「要介護認定(要支援認定)申請書の内容や書き方のポイントを解説します。

申請書の様式は市区町村によって若干異なりますが、基本的には必要な項目は同じです。

被保険者番号(介護保険証)

「介護保険証」に記載されている「被保険者番号」を記入します。個人番号や医療保険証の番号と混同しないように注意しましょう。

40〜64歳の第2号被保険者で、初めての申請となる人は未記入のままで問題ありません。

個人番号

マイナンバーカードや住民票に記載されている個人番号を記載します。

個人番号がわからない場合は、窓口に相談しましょう。ただし、自治体によっては未記入でも受理される場合があります。

住所

住民票に記載されている住所を記入しましょう。現在住んでいる場所が住民票とは違う場合は、現住所も記載しておくとよいでしょう。

また、自治体によっては訪問調査をおこなうために、現在いる場所を記入する欄が設けられています。介護施設に入居中、あるいは入院している人は施設や病院の名称を記入しましょう。

医療被保険者証の情報

「医療保険証」の保険者名と保険者番号・被保険者証の記号・番号を記入します。これらは、被保険者証に記載してありますので確認して記入しましょう。

前回の認定結果

申請の目的が更新申請や変更申請の場合は、前回の認定結果(要介護度と有効期間)を記載します。新規申請の場合は記載の必要はありません。

申請者(提出代行者)

自治体によっては、本人以外の人が申請する場合に申請者の名前と本人との続柄を記載する欄があります。また、ケアマネージャーなどが申請を代行する場合は、提出代行者の名前・事業所の名称・住所を記載します。

主治医

依頼は市区町村がおこなうため、かかりつけ医の名前と医療機関・所在地などを記載しておきましょう。

特定疾病名

申請者が40〜64歳の第2号被保険者の場合は、厚生労働省が定める「特定疾病(16種類)」の診断が必要となります。該当する疾病名を記載しましょう。

日程調整の連絡先

認定調査の日程を調整するため、連絡先を記載します。また、自治体によっては認定調査当日に立ち会う家族を記載する場合があります。

認定調査が遅れると、介護サービスの利用開始も遅くなるため、日中の連絡がつきやすい電話番号を記載しましょう。

個人情報の同意

介護認定審査会の判定結果、主治医意見書の内容などを、地域包括支援センターや居宅介護事業所、介護サービス事業所へ提示することに対して同意欄が設けてあります。忘れずにチェックして提出しましょう。

まとめ

今回は、介護保険認定の申請について解説しました。

介護保険認定を申請して実際に介護サービスが利用できるまでには1か月程度かかるため、「家族に介護が必要かも」と感じたら、早めに介護保険認定を申請して認定を受けておくと安心です。

介護サービスを利用するにあたり、費用面で不安を感じる場合は担当ケアマネージャーに相談しましょう。支払い可能な額に応じて介護サービスを調整してもらえます。希望の予算をしっかりと伝え、無理のない介護サービス計画書を作成すると良いでしょう。

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。