介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 介護資格・スキルアップ 【試験対策】ケアマネージャー試験は独学でも大丈夫?勉強方法と試験当日のポイントを解説

介護資格・スキルアップ

2023-06-08

【試験対策】ケアマネージャー試験は独学でも大丈夫?勉強方法と試験当日のポイントを解説

ケアマネージャー試験の合格を目指す際に「独学でも大丈夫かな…」と心配になったり、勉強方法に悩んだりする方もいるでしょう。

 

ケアマネージャー試験に合格するには、自身に合う方法で試験対策に取り組むことが重要です。

 

この記事では、試験対策の流れや独学をする際のポイントを解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

ケアマネージャー試験の内容

ケアマネージャー試験は、年に1度10月頃に実施されます。

試験を攻略するには、事前に出題内容や合格ラインを把握しておくことが大切です。

これから、試験の概要や合格基準を紹介します。それぞれ確認してみましょう。

ケアマネージャー試験の受験資格

ケアマネージャー試験を受けるには、まず受験資格の基準を満たす必要があります。

受験資格の条件は、以下のとおりです。
・規定の国家資格または相談業務において実務経験がある方
・該当の業務で5年(900日)以上の勤務経験がある方

上記の条件を2つとも満たさなくてはいけません。また、該当資格を所持している場合でも、関係のない業務は実務期間に含まれないため注意しましょう。

その他、試験の手続き方法やスケジュールは、受験地によって異なります。受験を申し込む際は、自身に該当する都道府県で確認しましょう。

出題科目

ケアマネージャー試験で出題される内容は、介護支援分野(25問)と保健医療福祉サービス分野(35問)の全60問です。

介護支援分野では、保険制度や要介護認定制度、サービス計画の知識などが出題されます。介護福祉士からケアマネージャーを目指す方にとっては、比較的対策しやすい分野でしょう。

一方、保健医療福祉サービス分野では、保健医療や福祉サービスの知識などが出題されます。看護師・准看護師からケアマネージャーを目指す方にとって、得点源になりやすい科目です。

出題方式

ケアマネージャー試験では、5肢複択のマークシート方式が採用されています。出題数は全60問、試験時間は120分です。

5つの選択肢から複数回答する必要があり、すべて正答しなければいけません。

そのため、介護福祉士のような5肢択一試験と比較して、ケアマネージャー試験は難易度が高いことがわかります。

合格ライン

ケアマネージャー試験に合格するには、介護支援・保健医療福祉の両科目で7割以上の正答が必要になります。

以下の表で、例年の合格点を確認してみましょう。

実施年度介護支援(全25問)保健医療福祉(全35問)合計
202218点26点44点
202114点25点39点
202013点22点35点
201915点24点39点
201813点22点35点

例年の傾向から、40点前後が合格ラインになると予想できます。

合格点は、実施年度によって若干の差があるため、目安として参考にするとよいでしょう。

独学での試験対策は難しい?

独学によるケアマネージャー試験対策は可能です。

一方で、ケアマネージャー試験はほかの介護資格と比較して難易度が高いため独学の留意点を事前に理解しておく必要があります。

以下で、独学のメリットとデメリットをそれぞれ確認してみましょう。

独学のメリット

試験対策を独学でおこなうメリットは、以下のとおりです。

・通学時間を節約できる
・金銭負担を軽減できる
・自身のペースで学習できる

スクールに通う場合は、通学時間や学費がかかります。独学では、こうした時間や金銭の負担を軽減できるのがメリットでしょう。

また、家事の合間やスキマ時間を活用して、自身のペースで学習しやすい利点もあります。

自己管理に自信がある方や、1人でコツコツと学習するのが好きな場合は、独学を検討するとよいでしょう。

独学のデメリット

続いて、独学のデメリットを紹介します。主な内容は、以下のとおりです。

・モチベーションの維持が難しい
・スクールや講座と比較して学習効率が落ちやすい
・わからない問題をそのままにしてしまうリスクがある

独学を選択した場合、モチベーションの維持に苦戦する方も出てくるでしょう。

スクールの場合は、わからないことがあれば、すぐに誰かに聞ける環境が整っています。一方、独学の場合は、すべて自身で解決しなければいけないため、学習効率が落ちやすいです。

独学を選択する場合は、上記のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

スクールや通信講座を検討する

独学のほかには、スクールや通信講座を利用する方法があります。

学費や利用料はかかりますが、効率的に学習を進めたい方にはおすすめの方法です。

1人での学習に不安がある方や、最短でケアマネージャー試験に合格したい場合は、スクールや通信講座の利用を検討するとよいでしょう。

独学で試験対策する場合

独学による試験対策を選択する方も多いでしょう。

通信講座やスクールなどを利用せずに、自身で試験対策を進める場合は、学習の流れやポイントを押さえておくことが大切です。

これから、独学で試験対策を進める際のポイントを紹介します。

以下で確認してみましょう。

ケアマネージャー試験の合格率や難易度を把握しておく

まずは、ケアマネージャー試験の難易度を理解しておく必要があります。

場合によっては、スクールや講座を利用する選択肢が出てくるかもしれません。

また、試験の難易度を理解しておくことで、受験勉強の予定が立てやすくなります。

自身の状況や受験ハードルを考慮した上で、学習スケジュールを組んでいきましょう。

なお、例年の合格率は10〜20%台となっています。

参考書を活用する

独学の場合は、自身に合うテキストや参考書を利用しましょう。

また、ケアマネージャーに求められる知識量は多く、参考書を最初から最後までじっくり読んでいると、かなりの時間が必要になります。

まずは、さっと読み通しをおこない、わからない部分に付箋やチェックをつけておきましょう。2回目以降から、チェックした部分を重点的に学習します。

テキストや参考書で学んだ後は、必ず問題集を解きましょう。学んだ知識をアウトプットすることで、効率よく学習が進められます。

5年分の過去問を解く

独学をする際は、直近5年分の過去問に触れておきましょう。

最近の試験の傾向や難易度がわかるほか、重要な内容であれば、同じような問題が出題される場合もあります。

一方で、あまり古過ぎる過去問を解くのはおすすめしません。法改正によって、内容が変更になっている可能性があるためです。

間違った内容で覚えてしまうリスクを避けるためにも、過去問は直近5年分に止めておくとよいでしょう。

試験本番を想定した練習を取り入れる

試験本番は、60問を120分で回答しなければいけません。

時間が足りなくなって焦ってしまわないように、普段から試験本番を意識した練習をしておきましょう。

そのほか、可能であれば模擬試験を受けるのも効果的です。本番に近い雰囲気を体感できるほか、学習進捗の把握にもつながります。

本番の3〜4か月前を目処に、模擬試験や本番練習を取り入れるとよいでしょう。

試験対策を効率的におこなうコツ

効率的に学習を進めるには、自身の苦手分野を把握することが重要です。

得意分野やわかる問題に時間を使っても、点数の上昇にはつながりにくいでしょう。

ケアマネージャー試験に合格するには、いかに苦手分野を克服し、得点を伸ばすかがカギになります。

参考書の場合はわからない箇所をチェックし、過去問であれば間違えた問題に時間を使うようにしましょう。

合格に必要な時間は?

ケアマネージャー試験に合格するために必要な勉強時間は、100〜200時間と言われています。

しかし、無資格・未経験の方と実務経験のある方では、経験知識が異なるため一概には言えません。

自身の状況やケアマネージャー試験の概要を把握した上で、計画的に学習を進めることが重要です。

日頃から学習時間を取れる場合は6か月、介護経験がない方や学習時間の確保が難しい場合は、1年ほどを見越して学習スケジュールを立てるとよいでしょう。

ケアマネージャー試験対策のスケジュール例

これから、ケアマネージャー試験までのスケジュール例を紹介します。

試験までの年間スケジュール(例)は以下のとおりです。

学習内容勉強時間評価
10月介護支援科目の学習スタート毎日30分
土日は無し
週3日しかできなかった
11月介護支援科目の苦手箇所を意識した学習毎日30分
土日は無し
苦手箇所を意識した学習ができた
12月保健医療福祉サービス科目の学習スタート毎日30分
日曜は無し
毎日30分できたが、土日は休んだ
1月保健医療福祉サービス科目の苦手箇所を意識した学習毎日30分
日曜は無し
予定通り学習できた
2月過去問題を解く毎日30分5年分の過去問を1回ずつ解いた
3月過去問題で間違えた箇所の把握と理解毎日30分苦手分野がわかった
4月繰り返し過去問を解く毎日30分過去問に慣れてきた
5月過去問で間違えた箇所や苦手な箇所を重点的に学習する毎日1時間苦手箇所を意識した学習ができた
6月本番を意識した練習も取り入れる毎日1時間120分を意識して過去問を解いた
7月模擬試験を受ける毎日2時間模擬試験を受けた
8月模試の結果をもとに自己分析と学習をする毎日30分〜7割以上取れる感覚が掴めてきた
9月最終チェックと体調管理毎日15分〜体調管理を意識して最終調整できた
10月本番

ぜひ、上記のスケジュール例を参考に、予定を立ててみてください。

本番が近くなったら、あまり学習時間を取り過ぎず、ある程度の余裕をもって過ごすのもおすすめです。

とくに、試験1か月前の期間は、当日に向けての体調管理を心がけましょう。

ケアマネージャー試験当日のポイント

ケアマネージャー試験当日、いつも通りの力を発揮するために、意識しておきたいことがあります。

試験当日のポイントを確認してみましょう。

ニアミスに気をつける

試験当日は、どなたでも緊張します。もしかしたら、本来なら考えられない間違いをしてしまうかもしれません。

勿体無いミスを避けるために、簡単な問題でも気を抜かず、丁寧に解いていきましょう。

例えば「正答を選択するのか・間違いを選択するのか」など、文章の受け取りミスにも気をつけます。

試験当日は気張り過ぎず、普段以上に肩の力を抜く意識をするとよいでしょう。

時間配分を意識する

試験当日は、緊張から思ったよりも時間が足りないと感じる可能性があります。

時間配分に失敗してしまうと、焦りから本来取れる問題まで落としてしまいかねません。

わからない問題は後回しにして、見直しに使う時間の確保を心がけましょう。

悩み過ぎない

試験本番では、難しい問題に時間を使い過ぎないことが大切です。

悩んだ場合は、わかるようにチェックをしておき、最後に見直すようにしましょう。

どうしてもわからない問題が出てきた場合は、割り切りも肝心です。自信のある問題や、確実に取れる問題に時間を使いましょう。

試験対策は自身に合う方法で計画的に進めよう

ケアマネージャー試験の合格を、独学で目指す方もいるでしょう。計画的に学習を進められれば、独学での合格も十分可能です。

ケアマネージャー試験は、1年に1度しか実施されません。後悔しないためにも、自身に合う方法で試験対策していくことが重要です。

ケアマネージャー試験の受験を検討の際は、自身の状況と試験の難易度を理解した上で、学習方法を検討してみましょう。

加藤 真太郎

理学療法士
臨床実習指導者講習会修了

理学療法士として8年間、回復期病院で勤務。その後は養成校で専任教員をしながら、週1回は病院勤務を継続している。臨床と教育現場を経験している数少ない理学療法士である。
理学療法学科の専任教員を本業としながら、ライターとしても活動し記事の執筆をしている。筋トレ・ジムの紹介ブログも運営中。