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介護の仕事のやりがいとは?やりがいを感じられなくなった時の対策は?

多くの介護職が、介護の仕事を選んだ理由として「やりがいがあるから」を挙げています。利用者の役に立ち、感謝の言葉をかけてもらえることが多いため、社会的な意義も大きくやりがいに繋がりやすいです。
やりがいをもって生き生きと働く介護職が多い一方で、待遇や人間関係、多忙すぎるなどの理由から、徐々にやりがいを失っていく人も少なくありません。
この記事では介護という仕事のやりがいや事例、やりがいを感じられなくなった時にどう対応すべきかをご紹介します。

介護職はやりがいを感じやすい仕事

介護職は超高齢社会を迎えた日本において、欠かすことのできない重要な存在です。老人ホームやデイサービスなどの介護施設をはじめ、在宅で支援を必要としている利用者の自宅に訪問し、介護をおこなうこともあります。柔軟に対応してくれる介護職は、多くの利用者にとって支えになっています。
食事介助・排泄介助・入浴介助など、利用者の日常生活を支え、さらに着替えの介助や口腔ケアなど、利用者が快適に暮らすためのサポートにも対応。
また、施設で働く介護職はレクリエーションを企画し、楽しみの場を提供することもあります。
利用者の自立や身体状況の改善に向けて、介護職の仕事はやりがいが大きく魅力的な職業であることに違いはありません。

介護職は「やりがい」を重視している

介護職の約半数が、やりがいを重視しているというデータがあります。下のグラフは介護労働安定センターがおこなった「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」(p.59)の調査結果です。

現在の仕事を選んだ理由(※1~5位を抜粋)

介護の仕事を選んだ理由

1位は「働きがいのある仕事だと思ったから」で、現場で働く介護職の多くが、仕事にやりがいを感じていることがわかります。
では具体的に、介護職はどういった時にやりがいを感じているのか見ていきましょう。

介護職がやりがいを感じるのはどんな時?

現役の介護職が、やりがいを感じやすいシーンやポイントを紹介します。

利用者やその家族から感謝される

介護職は日々利用者と間近で接し、親身になって介護をおこなう仕事です。また利用者の家族と話す機会も多く、ときには家族のようにデリケートな部分に触れることもあります。
利用者の気持ちに寄り添ったケアを続けていると「いつもありがとう」「良くしていただいて、安心できます」など、直接、感謝の言葉をかけられる場面もあります。そんな時に「この仕事をしていてよかった」と感じる介護職は多い傾向です。

利用者の自立や身体状態の改善に協力できる

現状の介護保険では、高齢者の身体機能維持や認知症予防など、自立支援を主な目的としています。そのため介護職には、利用者のケアをするだけでなく、身体状態の改善を目指してリハビリを促したり、レクリエーションを提案したりする姿勢が求められます。
身体的機能の劇的な改善は難しい場合でも「立ち上がることが怖い」とおむつをつけていた利用者が、リハビリやレクリエーションを通してベッドから車いすへの移乗ができるようになるなどのさまざまな改善が期待できます。
良い結果が出たときには、利用者と一緒に喜び合えることも、介護職ならではのやりがいではないでしょうか。

社会貢献につながる

日本は2021年の時点で65歳以上の人口割合が全人口の29%以上を占める超高齢社会を迎えています。そのため医療や介護、年金といった社会保障費は増加し続けるという大きな課題を抱えています。介護職が仕事を通して要介護者の自立を支援すると、要介護者や家族の助けになるだけでなく、社会保障費の軽減に貢献できる意義のある仕事といえます。

仕事を通じてさまざまなスキルが身につく

介護職は専門知識とスキルが必要な仕事で、日々、新しいスキルを身につけることが可能です。長く介護職を続けるほど自分自身の成長を感じられるでしょう。
また介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修・介護福祉士など、さまざまな資格が用意されており、取得すれば手当がつくなど待遇改善も期待できます。キャリアアップにもつながり、やりがいを感じる理由の1つになるでしょう。

介護の仕事は多くの場面でやりがいを感じながら働ける仕事です。その一方で、介護の仕事にストレスや限界を感じ、休職や離職をする人も少なくありません。続いては、介護職がやりがいを感じられなくなる原因についてみていきましょう。

介護職がやりがいを感じられなくなる原因は?

介護の仕事に前向きになれない原因には、待遇面の不満や人間関係の難しさ、キャリアアップの停滞などが考えられます。もし介護の仕事に対してやりがいを感じられていない場合は、原因を考え、自分に合った解決策を見つけましょう。

1.心身ともに疲労がたまっている

介護職は利用者の排せつ・入浴の介助や、利用者宅を訪問するなど、忙しく体を動かす仕事です。それだけではなく多くの利用者と間近に接し、共に働くスタッフと密なやり取りが必要で、常に細かい配慮が求められるといっても過言ではありません。
そのため肉体的・精神的な疲労も大きいですし、疲労が解消されずに蓄積してしまうと、気力が奪われてしまいます。これではやりがいを感じることは難しいでしょう。
仕事が嫌になった訳ではなく、前向きになれない時は、まず疲労の蓄積を疑ってみると良いでしょう。しっかり休んで気力を取り戻すのも、良い仕事をするために大切な条件です。

2.正当な評価を得られないと感じている

仕事量や求められる能力に対して、収入が少ないと感じている介護職は非常に多くいます。努力に見合った評価や待遇が得られなければ、やりがいを感じられなくなってしまうでしょう。
介護職は人と社会に貢献するすばらしい仕事ですが、それだけに対価が得られずモチベーションが落ちたり、頑張っても認めてもらえないと、燃え尽きたりといった恐れもあるため注意が必要です。

3.職場の人間関係が悪い

仕事に熱意があっても、職場の人間関係がよくないと働きにくくなります。介護は多くの人と連携しながら、チームで仕事を進める仕事です。しかし、協調性がなく他人の意見を尊重しないメンバーがいると、人間関係が悪化してしまいます。
自分は問題がなくても、他のスタッフ同士がいがみ合っていると悪影響を受けることもあるでしょう。あまりにも人間関係が悪いとやりがいを感じる余裕がなくなり、仕事のパフォーマンスが悪化しかねません。

4.成長している実感が得られない

介護職として働き始めた当初はやりがいを感じられていた仕事でも、徐々にやりがいが薄れてきたという場合は、自分自身の成長を実感できていないことが原因かもしれません。
そんな時は介護の仕事を始めた頃を思い出し、当時はできなかったのに現在はできていることを1つずつ確認してみましょう。普段は気づかなくても、あらためて振り返ると成長できた点が多々あるのではないでしょうか。

次は、やりがいを感じられなくなった時の対処法をご紹介します。今後、やりがいを見失った時のために、ぜひ参考にしてみてください。

介護職がやりがいを感じられなくなった時の対処法

仕事をしている人の多くが、一度はやりがいを見失った経験があるでしょう。ここからは、やりがいを見失った時のために役立つ対処法をご紹介します。介護職としてのやりがいを見失った時に試してみてください。

介護職を志した理由や過去に感じたやりがいを思い出す

あなたがなぜ介護の仕事を始めようと思ったのか、理由を思い出してみましょう。数ある仕事の中で、介護職を選んだ理由があったはずです。原点に返って、介護の仕事を通して実現したかったことや目指していたことなどを再認識すると、仕事に対して前向きになれます。また過去にやりがいを感じたことやその理由を思い出すこともおすすめです。

おこなっている業務の改善

仕事に慣れてくると、最初は懸命に対応していた業務をスムーズにこなせるというメリットがある一方、緊張感がなくなりルーティーン化するデメリットがあります。考えなくてもできるようになったという点では成長として考えられますが、同じ状態が続くとやりがいを感じにくくなる恐れがあります。
何気なくおこなっている仕事の中に、さらに改善できる点がないか探してみましょう。より効率化を図る業務改善や後輩の教育を担当するなど、さらにレベルアップを目指してみてください。取り組んでいるうちに、新しいやりがいを感じられるかもしれません。

スキルアップを目指す

業務にやりがいを感じられなくなった時は、ワンランク上の取り組みをおこなう時が来たというサインかもしれません。あなたの実力が現在の仕事内容やレベルを超えたと考え、スキルアップや新しい取り組みに挑戦してみてはどうでしょうか。
例えば、事業所でリーダー的なポジションを目指す・事業所全体の業務効率化に向けてIT設備の整備や便利なアプリ導入を提案する・介護の資格取得にチャレンジする・医療的ケアに対応できるよう研修を受けてみるなど、やりがいやモチベーションの向上につながります。

転職を検討する

現在の職場でやりがいを持ち続けるためにいろいろと試してきたけれど、何をやってもしっくりこない、という場合は、思い切って転職を検討してみてはいかがでしょうか。自分の気持ちを抑え込みながら仕事を続けるより、無理なくやりがいを感じられる職場を探す方が良い場合もあります。転職活動をおこなう際は、あなたがどんなことにやりがいを感じるかを明確にしておきましょう。

まとめ

介護は、利用者や家族から感謝され、社会への貢献度が非常に高い仕事です。前向きに情熱をもって取り組むことは素晴らしいことですが、待遇に納得できない、職場の人間関係が悪い中でやりがいを感じられなくなることもあります。
無理をして働き続けると、離職してしまう恐れがあるため注意が必要です。モチベーションが落ちたときには、仕事内容を見直し、新しいことへのチャレンジをすると新たな課題に気づくかもしれません。また、充実感のある職場に移るという視点も持っておくと良いでしょう。

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。