資格・就職・転職
2023-06-22
ケアマネージャーに向いていない人・向いている人の特徴|適性や必要な能力とは?
ケアマネージャーは、介護サービス利用者を支援する専門家としてやりがいのある職業です。
一方で、最適なケアプランの作成や困難事例への対応、業務量の多さによって「自分には向いていない」と思い悩む人も多いのではないでしょうか?
この記事では、ケアマネージャーに向いていない人・向いている人の特徴を紹介し、必要な能力や対処法を解説します。
ケアマネージャーに向いていないと頭を抱える人の助けになる内容です。ぜひ参考にしてみてください。
ケアマネージャーに向いていない人|5つの特徴
ケアマネージャーは利用者それぞれに合わせた支援ができるよう、ケアプランの作成やサービス事業所との連絡、調整などを行います。
専門性の高い職業でやりがいがある反面、「私には向いていないかも」と悩むこともあるでしょう。以下にケアマネージャーに向いていない人の特徴を5つ紹介します。
コミュニケーション能力が低い
ケアマネージャーは人と関わる仕事ゆえに、利用者や家族、関連する事業所とのコミュニケーションが必要です。
人と話すのが苦手で人見知りをするなど、コミュニケーション能力が低い人には向いていない場合があります。
「利用者との会話が続かない」「気難しい方でサービスの提案がしにくい」など、対応に困る事例もあるでしょう。
利用者がなにを求めているのか、日常のどんな場面で不自由を感じているのかを引き出すには対話力が必要になります。
コミュニケーションなしにケアマネージャーの業務を行うのは困難なため、避けて通れないスキルです。
適切なケアプランが作成できない
ケアマネージャーの主要な業務の1つにケアプランの作成があります。
利用者それぞれに合わせたケアプランの作成が必要です。
一方で、利用者の希望と矛盾するサービスを組んだり、家族の意図が汲み取られていなかったりと、最適なプランが作成できずに悩むケアマネージャーは多いでしょう。
利用者の求めるケアプランを作成するには、豊富な知識と経験が必要です。
経験の浅いうちは、上手にプラン作成が進められず悩むこともありますが、多くのケースを経験することで次第に改善していくでしょう。
仕事に時間がかかる
ケアマネージャーは業務量が多く、多忙をきわめます。仕事に時間がかかり、終わりがみえないと「自分には向いていない」と感じる人もいるでしょう。
担当する人数が多かったり、イレギュラーな業務が急に入ったりすると、仕事が終わらずに溜まっていき、向いていないと思いやすくなります。
また、忙しい業務の合間に研修会に参加したり、利用者宅に訪問に行ったりする時間も確保しなければなりません。
利用者視点で考えられない
支援が必要な内容は利用者それぞれで違います。そのため、ケアマネージャーには、利用者の視点に立ったサービスの提案やケアプランの作成が大切です。
相手の気持ちになって考えることが求められますが、ケアマネージャー主導でケアプランを作成すると、信頼関係が構築できない場合もあります。
ケアマネージャーは、必要なサービスの提案はしますが、考えを押し付けないように注意しましょう。
利用者宅を訪問し、どんな生活を送っているのか、なにに困っているのかを把握し、現状よりも生活の質を上げる方法を考える必要があります。
分析能力が低い
利用者の支援が適切に行えているのか分析する力が低い人は、ケアマネージャーに向いていない可能性があります。
ケアプランは妥当なのか、業務が終わらないのはなぜかなど、自分の行動を分析できると利用者との関わりや業務を改善しやすくなります。
分析能力が低いと、仕事の質が落ちるうえに業務の効率化も図れず、思い悩むこともあるでしょう。
まずは、自分の行動を振り返り、「もっとよくできるところはないか」と考えることが重要です。
ケアマネージャーに向いている人|3つの特徴
ケアマネージャーに向いていない人の特徴が理解できたところで、向いている人の特徴もおさえておきましょう。
ケアマネージャーに向いている人の特徴がわかれば、目指すべき理想の姿がみえてきます。特徴は以下の3つです。
人の話を聞くのがうまい
ケアマネージャーには、利用者や家族はもとより、サービス事業所の職員との関係など相手の話を聞く場面が多くあります。
利用者のなかには、思いや不満をうまく伝えられない人もいるでしょう。そこで、ケアマネージャーの聴く力が重要です。
「相手の話の腰を折らずに傾聴する」「求める情報を聞き出すために適切な問いかけをする」といった能力が求められます。
相手の話を深く聞き出せる人ほど、最適なケアプランを作成しやすく、他職種との連携も円滑に進められるでしょう。
精神力が強い
精神力が強い人は、それだけでケアマネージャーに向いています。
実際に、ケアマネージャーとして働く人によると、「毎日のように謝っている」「利用者と家族の板挟みで大変」など、精神をすり減らすような事例が多くあります。
利用者から無茶な要望を言われたり、デイサービスから利用を拒否されたりするケースもあり、間に入るのがケアマネージャーなのです。
揉め事をものともせずに、潜り抜けるメンタルの強さがあれば、どんな職場でも活躍できるでしょう。
決断力がある
利用者の希望を聞くのは大事ですが、同時に必要性の高いサービスを提案する決断力も必要です。
当然、最終的な決定権は利用者にありますが、決断に至るまでの過程はケアマネージャーの手腕が問われます。
デイサービスも、利用者のことを考えるあまり、多くの選択肢を与えすぎると、説明が曖昧になり利用者に迷いを抱かせるかもしれません。
ケアマネージャーが根拠を説明したうえで、自信を持って提案すれば利用者に納得してもらいやすくなるでしょう。
ケアマネージャーの適性はある?求められる5つの能力
ケアマネージャーは、専門性の高い職業であるがゆえに、悩みを抱え「向いていないのでは?」と不安になる人も多いでしょう。
そこで、ケアマネージャーに求められる能力を5つ紹介します。自分に合っているのかどうか、判断する材料になるでしょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、あらゆる職業に必要ですが、人とのつながりを作るケアマネージャーにとっては特に重要なスキルです。
利用者や家族からの要望を聞いたり、普段の何気ない会話から深い部分にある思いを汲み取ったりすることは日常です。
また、関連する事業所や医療機関との連絡・調整にもコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション能力が高い人は、それだけでケアマネージャーとして活躍できる可能性が高くなります。
論理的な思考力
ケアマネージャーの主要業務であるケアプランは、適宜修正や更新を繰り返す必要があります。
「なんとなく必要そうだから」では利用者や家族に説明ができません。
なぜそのサービスを利用する必要があるのか、論理的に考える力が重要なのです。
例えば、デイサービスを提案する場合、利用者に合わせた利用時間や場所、利用者層などを把握したうえで提案する必要があります。
細かな情報収集や、説明の明確さなどを配慮しながら進めることで、担当者としての信頼も厚くなるでしょう。
柔軟な対応力
ケアマネージャーは、急な呼び出しや医療機関への情報提供など、臨機応変な対応を求められる場合があります。
マニュアルどおりの対応では対処できないケースもあるため、その都度自分の頭で考えて行動できる柔軟性が必要です。
例えば、利用者がデイサービスに不満を持ち「やめたい」と急に言われる、反対に迷惑行為などで事業所から利用停止を命じられるなど対応に追われる場面もあります。
利用者や家族、サービス提供者などに振り回されることもあり、柔軟な対応力が求められます。
人とのつながりを作る能力
利用者の支援には、デイサービスや訪問介護・リハビリ専門職・福祉用具の業者など、さまざまな人が関わります。その橋渡しになるのがケアマネージャーの役割です。
人とのつながりを上手に作れるケアマネージャーは、どんな利用者からも重宝され、事業所から信頼される存在になるでしょう。
ケアマネージャーは、地域で孤立する高齢者の助けとなる重要な専門職なのです。
それゆえに大変さもありますが、同時にやりがいも感じられるでしょう。
忍耐力
ケアマネージャーはときに、利用者からの理不尽な要求や、利用者と家族の意見が合わずに板挟みになることもあるでしょう。
あらゆる意見を取り入れながら対処するための忍耐力が重要になります。
利用者や家族と時間をかけて話し合い、問題解決に向けて取り組むのは労力が必要です。粘り強く課題と向き合うことで、最適なサービスが提供できます。
親身になって行動することで利用者や家族、サービス事業所からの信頼が大きくなり「このケアマネさんなら安心」と思ってもらえるケアマネージャーになるでしょう。
ケアマネージャーに向いていない場合の対処法
「ケアマネージャーに向いていない」と思っても、諦めることはありません。
ケアマネージャーとしての仕事をうまくできないと感じる人でも、以下の対処法を実践すれば、解決できることもあります。順番にみていきましょう。
スキルアップを目指す
ケアマネージャーのスキルアップとは、前項で紹介した「ケアマネージャーに求められる能力」を上げることです。
コミュニケーション能力が向上すれば、利用者と信頼関係を作りやすくなり、関連する事業所との連携も円滑になるでしょう。
また、論理的な思考力をアップさせるために、知識を増やすこともポイントです。
知識不足からくる自信のなさは利用者を不安にさせるだけでなく、業務の効率が上がらずパフォーマンスを落とします。
研修などに参加し積極的にスキルアップを図ると、自己で考えられる範囲が広がります。
上司や同僚に相談する
ケアマネージャーに向いていないと感じたら、悩みを相談することが大事です。
特に上司や同僚は、利用者や家族のことを把握しやすく、地域のサービスにも詳しいので、相談するとよいでしょう。
職場に相談しやすい相手がいるのは、働きやすさやモチベーションの維持にもつながるため、普段からコミュニケーションを密に取っておくのもポイントです。
介護職に戻る
ケアマネージャーは、もともと介護職から資格を取得した人が多いでしょう。
ケアマネージャーとしての支援業務に向いていないと感じたら、介護職に戻って体を動かすのもよいかもしれません。
介護職に戻ることで利用者側の視点に立てるようになり、自信をつけてからケアマネージャーに復帰するのもよいでしょう。
介護職に戻った結果、「ケアマネージャーよりも介護職のほうが好き」と思えば、介護職としてのキャリアを積むのも選択肢の1つです。
転職する
対処法を試しても「ケアマネージャーに向いていない」と思う場合は、転職を検討してもよいでしょう。
職場の雰囲気が原因で不向きだと感じているなら、職場を変えることも1つの方法です。
待遇や給料などの条件がよい職場に移れば、新天地でやりがいをみつけられることもあります。
ケアマネージャー自体に自信をなくしたのであれば、介護職に戻ったり、休養期間を経て復帰したりするのも、自己をみつめ直すきっかけになるでしょう。
相手の立場で考えられる人はケアマネージャー向き
本記事ではケアマネージャーに向いていない人・向いている人の特徴や、ケアマネージャーに求められる能力を解説しました。
ケアマネージャーは、利用者に最適なケアプランを提案するとともに、利用者家族との関係作り、他職種との連携など業務範囲が多岐にわたります。
多忙な業務のなかでも、相手の立場になって考えられる人は、それだけでケアマネージャーとして適性があります。
難しい事例を経験するたびに「私には向いていないのかも」と自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
そんなときは、今回紹介した対処法を活用してみてはいかがでしょうか。