介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 介護業界の就職・転職 ケアマネージャーは年齢を重ねても働ける!平均年齢や定年後も活躍する方法を紹介!

介護業界の就職・転職

2023-07-18

ケアマネージャーは年齢を重ねても働ける!平均年齢や定年後も活躍する方法を紹介!

ケアマネージャーとして勤務している方、あるいはケアマネージャーに興味がある方の中には、年齢について気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

ケアプラン作成や介護サービスのマネジメントなど、比較的デスクワークが多いケアマネージャーですが、実際のところ何歳まで働けるのか、ぜひ知りたいところです。

 

この記事ではケアマネージャーの平均年齢や年齢を重ねても活躍する方法などについてご紹介します。

 

現在ケアマネージャーとして働いている方をはじめ、今後ケアマネージャーを目指したいと考えている方もぜひ参考にしてください。

ケアマネージャーは何歳まで働ける?

ケアマネージャーは何歳くらいまで働けるのでしょうか。

まず、現状のケアマネージャーの平均年齢を確認してみましょう。

ケアマネージャーの平均年齢

公益財団法人介護労働安定センターが行った「令和3年度介護労働実態調査結果について」によると、2021年の時点でケアマネ―ジャーの全国平均年齢は54.5歳となっています。

この結果から40〜50代はケアマネージャーとしての働き盛りといっていいでしょう。

ちなみにケアマネージャーの年齢分布は次のようになっています。

ケアマネージャー資格自体に年齢制限はない

ケアマネージャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の受験には年齢制限がないため、資格自体は何歳からでも目指せます。]

またほかの介護職に比べ、ケアマネージャーの年齢層が高めな理由として、受験資格のハードルが高い点が挙げられます。

受験資格
・特定の国家資格(介護福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士など)を有し、通算5年以上の実務経験がある人
・介護施設などで相談援助業務などに従事し5年以上の実務経験がある人

受験の時点で一定の年齢の方がケアマネージャー資格を取得し、そこから経験やスキルを身につけていくわけですから、むしろ年齢を重ねてからが本番といえるのではないでしょうか。

またケアマネージャーの業務はデスクワークが多く、体力をあまり使いません。そのため60代、70代でも対応が可能といえます。

ケアマネージャーの勤務先に定年がある場合

ケアマネージャーの資格や職種に定年はありませんが、勤務する施設や事業所に定年があった場合はその規定に従うことになります。

しかし現在、介護業界ではケアマネージャーが慢性的に不足しているため、定年後も嘱託という形で勤務を頼まれることがあるようです。

中には定年の年齢を引き上げたり、定年制度の廃止を検討したりする施設や事業所も少なくありません。

年齢を重ねてもケアマネージャーとして活躍したいという方は、勤務先に確認することをお勧めします。

ケアマネージャーにまつわる現状に続き、あらためてケアマネージャーの業務について、中高年になっても対応できる内容かみていきましょう。

ケアマネージャー業務は年齢に関係なく対応できる?

40~50代、さらには60代、70代のケアマネージャーも活躍している現在ですが、そんな年齢になってもケアマネージャーの業務に対応できるのでしょうか。

ここではケアマネージャーの業務内容について解説します。

ケアマネージャーの業務内容

ケアマネージャーの役割を一言でまとめれば、利用者およびご家族と福祉・介護事業者の架け橋になることですが、業務内容はさまざまです。1つずつ確認していきましょう。

ケアプランの作成

ケアマネージャーは、介護サービスを利用する人の介護度や聞き取った情報から、ケアプランを作成します。

ケアプランは「介護サービス計画書」とも呼ばれ、利用者への支援や課題、最適な介護サービスの内容や目標をまとめた計画書のことです。

ケアプランを作成する際に利用者の自宅を訪問し、利用者の健康状態や現状の自立度、利用者のご家族の要望などを確認します。

ケアプラン作成後は利用者とご家族に了承いただき、関わる介護・医療の関係者と共にケアプランを完成させます。

要介護認定の申請代行

介護サービスを利用するには、自治体に要介護認定の申請を行い認めてもらう必要があります。

ケアマネージャーは利用を希望する方の代わりに介護認定の申請代行をすることができます。

また介護保険の変更や更新もケアマネージャーの代行が可能です。

介護サービスを必要としている方からの相談対応

日常生活を送るために介護サービスの利用が必要な方や、そのご家族からの相談に対応し、適切なアドバイスを行います。

また今後の介護方針についての相談にも対応します。

利用者・家族と介護事業者との調整

介護サービスの利用者・ご家族と介護サービスの提供者との間に立ち、ケアプランで設定した目標を達成するためにさまざまな調整をします。

スムーズに課題を解決するために、ケアマネージャーはサービス提供者と積極的に連携を取り、利用者・ご家族からの相談内容を常に共有する必要があります。

介護報酬の給付管理

給付管理とは、介護サービス利用者の介護費や支援費の支給限度額を管理する業務のことです。

具体的には、サービス提供者に介護報酬が正しく支払われているか、サービス利用者から自己負担分の介護費が支払われているか、ケアプラン通りに介護サービスが提供されているかなどを確認します。

年齢を重ねたからこそ有利な点も

ケアマネージャーの業務をご紹介しましたが、書類作成などのデスクワークに加え、利用者やご家族と介護事業者との調整や介護を必要とする方への相談対応業務が多いことに気づかれたのではないでしょうか。

相談対応や調整はいつもスムーズに進むとは限りません。アクシデントが起こったり、利用者と事業者の意見が対立したりすることもよくあります。

そんなときに役立つのが、年長者の豊富な経験や長年培ってきたコミュニケーション力です。

例えばケアプラン作成では利用者の立場になって考えることが大切ですが、そんなときこそ積み重ねてきた人生経験がものをいいます。

また相談する利用者にしてみれば、広い視野と柔軟性を持ち不安な気持ちに寄り添ってくれる年配のケアマネージャーには相談しやすいものです。

若さよりも「年齢を重ねたからこその強み」は業務や転職の際にも有利に働くといえます。

とはいえ勤務する施設・事業所に定年制度がある方は、やはり年齢に関する不安や心配がぬぐえないかもしれません。

そこで次に、ケアマネージャーが年齢を重ねても活躍する方法についてご紹介します。

ケアマネージャーが年齢を重ねても活躍するには

ケアマネージャーが年齢を重ねても活躍する方法として、主に次の3つが挙げられます。

嘱託・非常勤で働く

勤務している施設・事業所が嘱託社員や非常勤に対応している場合は、働き方を変えて仕事を続ける方法があります。

慣れ親しんだ職場で仕事を続けられるため、新しい職場で一から人間関係を作ったり、それまでと違う仕事のやり方を身につけたりするわずらわしさがないことがメリットといえるでしょう。

ただ、定年をきっかけに新たなチャレンジをしたい、これまでの人間関係をリセットしたいという方には向かないかもしれません。

定年後も同じ職場での勤務を希望するなら、嘱託や非常勤で働ける制度があるかどうか、あるなら給与や待遇はどうなるのか、あらかじめ確認しておきましょう。

年齢不問の職場に転職する

勤務中の施設・事業所で働き続けるのが難しい場合は、年齢不問やシニア歓迎の職場に転職を考えてみてはいかがでしょうか。

ケアマネージャーの平均年齢が上がっていることからもわかるように、ケアマネ求人の募集年齢も上昇しています。

さらに近年は多くの施設・事業所が人手不足に悩んでいるため、年齢を問わず募集している職場も少なくありません。

体力より経験・スキルが重視されるケアマネージャーは、年齢が上がっても重宝される傾向にあります。積極的にアピールし転職を成功させましょう。

シニア層ケアマネの転職ポイント①豊富な経験

ケアマネージャーの業務はケアプランの作成、利用者からの相談対応、関係各所間の調整など多岐にわたります。

どれも経験や知識が大きくものをいう業務ですから、豊富な経験を持つシニア層ケアマネージャーは非常に有利です。

シニアになると若い頃に比べて体力やフットワークが劣ってきたなど、「できないこと」を意識しがちです。しかし年齢を経たからこそ、豊富な経験を身につけることができたといえます。

過去の経験や知識を活かせばイレギュラーなケースにも柔軟に対応できますし、過去の例から推察して効率的に業務を進めることも可能です。

転職の際はそういった点を武器として積極的にアピールしていきましょう。

シニア層ケアマネージャーの転職ポイント②資格・スキル

ケアマネージャー以外に取得した資格も大きなアピールポイントになります。

ケアマネージャーは複数の資格保有者が多く、介護福祉士や看護師・准看護師、社会福祉士などのダブルライセンスを取得するケースが珍しくありません。

ケアマネージャー以外に介護福祉士資格があればまさに介護のエキスパートですし、看護師・准看護師なら介護の中でも経管栄養喀痰吸引など、医療の専門知識を活かせます。

社会福祉士資格を持っていれば高齢者福祉のプロとして信頼されます。

またパソコンスキルがあれば忘れずアピールしましょう。ケアマネージャーは各種書類の作成業務が多いため、ある程度のパソコンスキルが必須です。

世間的に「シニア層はパソコンが苦手では?」というイメージを持たれがちなので、書類の作成には問題がない、あるいは苦手意識はないとしっかり伝えておくといいでしょう。

ケアマネージャー未経験の場合は人生経験をアピール

未経験からケアマネージャーとして転職する場合、介護分野での経歴と成果をアピールしましょう。

例えば業務を通して得た知識やスキル、さらに施設や事業所・利用者なにどのような貢献ができたか、できれば具体的なエピソードを交えて伝えると、面接官によい印象を与えることができます。

また利用者・ご家族と介護サービス提供者の間に立って調整を行う際、信頼感という意味で、20代より人生経験が豊富なシニア層の方が有利な場合も少なくありません。

ケアマネージャーとしての業務経験がなくても、過去の実績と人生経験から役立つことができると伝えましょう。

開業する

ご自身で開業し、経営者かつ独立型ケアマネージャーとして活躍する方法もあります。

経営者になれば実質、年齢や定年を気にしなくてもよくなりますし、勤務時間の融通がきくというメリットもあります。

開業のデメリットとしてはまとまった資金が必要、収入が安定しない、営業や庶務などケアマネージャー以外の業務が増えることなどがあります。資金が足りない場合は、同じく独立を目指すケアマネージャーが集まり共同で事務所を開設する方法もあります。

すぐにできることではないかもしれませんが、今後の選択肢の1つとして検討してはいかがでしょうか。

まとめ

少子化による人材不足や働き方改革などの影響で、シニア層が活躍できる仕事の場はますます広がっています。

人材不足が特に顕著な介護分野では、その流れは一層強まっているといえるでしょう。

そんな中で豊かなスキルと経験を持つケアマネージャーはとても重要な存在です。

ケアマネージャーは相談業務やデスクワークがメインのため、若い頃のような体力は必要ありません。

積み重ねてきた経験を大きな強みとして、ケアマネージャーとして活躍し続けましょう。

大岩保英

理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

理学療法士として10年以上の臨床経験あり。一般病院・総合病院の勤務経験を経て、現在は整形外科クリニックに勤務。本業と並行し、ライターとして執筆活動や編集者も行う。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を取得し、オンラインサロンでお金や投資関連の情報発信・相談業務も行っている。