介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 資格・就職・転職 理学療法士は「やめとけ」と言われる理由はホント?|向いている人やメリットを解説!

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投稿日:
2026-05-29

更新日:
2026-06-01

理学療法士は「やめとけ」と言われる理由はホント?|向いている人やメリットを解説!

理学療法士になるのは「やめとけ」という声が聞かれることがあります。理学療法士を目指している方は「なぜ、そう言われるのだろう?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
 
今回は、理学療法士は「やめとけ」と言われる理由を解説しています。また、理学療法士になるメリットや向いている人の特徴についても紹介しています。理学療法士のメリットとデメリットや適性を理解し、今後の参考にしてください。

理学療法士の仕事内容

理学療法士とは、怪我や病気などによって身体に障害を持っている方や、もしくは身体機能の衰えが予測される方に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的とした専門職です。運動療法や物理療法(温熱や電気などの物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援しています。

ほかにも、柔軟性や筋力をつけるためのトレーニング指導や福祉用具(杖や車椅子など)の検討も理学療法士の仕事として含まれています。

理学療法士は「やめとけ」と言われる理由

ここでは理学療法士について「やめとけ」と言われる一般的な理由について、ピックアップしてみました。詳細について説明をします。

給料が上がりにくい

職場によって差がありますが、理学療法士の昇給額は年に数千円(〜3,000円程度)といわれています。これは診療報酬制度に基づいて支払われるため、一生懸命働いても「患者から得られる報酬の上限」が変わらない仕組みだからです。「がんばった分だけ稼ぎたい」という方にとっては、現状の給与制度に納得できないこともあるでしょう。

人間関係がつらい

理学療法士は、医師や看護師・介護士などの他職種と連携しながら仕事をしています。情報共有の行き違いやリハビリ業務への理解度が異なることで、他職種との認識の齟齬が発生することも少なくありません。働く施設によっては理学療法士の人員が少なく、業務を一任されることがあるため、同業種間で仕事の悩みを相談できないこともあり、ストレスを感じる方もいるようです。

残業が多い場合がある

理学療法士の中には、カルテの入力や書類業務、カンファレンス準備などの業務が煩雑になり、就業時間内に終わらない場合があります。また、業務時間外に行われる勉強会や研修への参加が求められることがあります。参加必須の勉強会には残業代が支給されたり、1分単位で残業申請できたりする職場もあるため、すべての職場でサービス残業が発生しているわけではありません。労働時間の管理が徹底した職場もあるため、事前に確認することをおすすめします。

「やめとけ」ってホント?理学療法士のメリットとは

「やめとけ」と言われている理学療法士ですが、資格を取得することでメリットもあります。

将来性がある

理学療法士のメリットの1つとして、将来性があることが挙げられます。理学療法士の数も増加しており「就職先がないのでは?」と、考える方も少なくないのではないでしょうか。

現在の日本では高齢化が進んでおり、2025年には75歳以上の人口が全人口の約18%、つまり5人に1人の割合になると推測されています。そのため、運動機能が低下する高齢者がさらに増えることも考えられます。

介護施設には、介護老人保健施設や訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションなどがあり、訪問や通所を利用して、できるだけ長く自宅で過ごすことを目的にしています。運動機能の維持や向上も含めると、今後も理学療法士の需要は増えるでしょう。

また、理学療法士は、医療・福祉施設だけでなく、行政機関やスポーツ関連の企業など、さまざまな分野でも活躍しています。

参考:厚生労働省|我が国の人口について

今後も需要があるため就職しやすい

上記でお伝えしたように、将来的に理学療法士の供給数が需要を上回ることが示されています。

一方で、高齢者の割合は今後も増え続ける見込みであり、リハビリのニーズ自体が大きく減るわけではありません。

2024(令和6)年度の「高齢者白書」では、2023(令和5)年10月時点で65歳以上の人口は3,623万人と、全体の29.1%を占めており、将来的には国民の2.6人に1人が65歳以上となる社会が到来すると推計されています。

そのため、理学療法士の就職先となる介護施設や訪問リハビリなどの現場では引き続き人材が求められるでしょう。

参考:内閣府|令和6年版 高齢社会白書(全文)

夜勤が少ない

理学療法士のほとんどは、日中にリハビリ業務に携わっています。勤務先によっては、患者さんの生活状況や動作を確認するため、早出や遅出といった時間差出勤をしています。

そのため、夜勤はほとんどなく、緊急対応をすることもさほど多くありません。プライベートの時間の確保がしやすく、生活リズムが乱れることもあまりないでしょう。

突発的な仕事が少ないため副業しやすい

夜勤が少ない・日勤中心という勤務形態に加え、持ち帰って仕事をすることがほとんどないため、副業に取り組む時間を確保することも可能です。

副業の例として、訪問リハビリのアルバイトや、専門知識を生かした医療系Webライターなどがあります。

勤務先で副業の制限を設けているケースもありますが、理学療法士としてのスキルを発揮できる副業の幅は着実に広がっています。本業で得た知識や経験を別の形で活用しながら、自分らしい働き方・収入の柱を増やすこともできるでしょう。

仕事にやりがいが感じられる

理学療法士としての醍醐味は、リハビリに携わっていくうちに患者さんの機能回復が見られたときです。また、患者さん本人やご家族から感謝の言葉をいただけることで、「役に立てた」という喜びも味わえるでしょう。

国家資格のため職の安定性がある

理学療法士は国家資格の1つです。一度合格すれば更新の必要がない「一生モノの資格」です。社会的に認められるため、「資格を持っている安心感」は大きな価値になります。引っ越しや結婚・出産といったライフステージの変化があっても、再就職しやすいというメリットがあります。

理学療法士に向いている人

理学療法士は、患者さんの状態や生活環境など、さまざまな情報を理解したうえで訓練をおこないます。ここでは、理学療法士に向いている人の特徴を解説していきます。

人と接するのが好きな人

まず、人と接することが好きな人が向いています。理学療法士の仕事は、1対1で人と関わる仕事です。

患者さんや家族の希望を聞きながら計画書を作成・実施するため、リハビリ内容を本人や家族に説明もします。対象者とやり取りしながらリハビリをおこない、コミュニケーションをする機会も多くなります。

理学療法士は医師の指示によって業務をおこないます。また、働く場所によっては看護師や介護員など他職種との連携が必要です。

このように、対象者や家族だけでなく、医師や看護師、介護員などさまざまな業種のスタッフともコミュニケーションを取る場面が多いため、人と接することが好きな人がよいでしょう。

些細な変化にも気づける人

患者さんの中には、今までできていた動作が難しくなる方もいます。そのため、普段と違う表情や動作に気づき、相手の気持ちに寄り添えることが大切です。悩みや気持ちに耳を傾ける時間を設け、必要に応じてリハビリ内容を変更します。

また、理学療法士に何でも話せる患者さんばかりではないため、普段から相手のことをよく観察して訓練を行うことが大切です。

対象者の日常の様子をすぐに把握するのは簡単ではありません。日々の積み重ねや経験も必要です。何気ない話の中からでも、楽しく訓練ができるようなアプローチを考えることが求められます。

心身ともに健康な人

理学療法士は、心身ともに健康な人に向いています。理学療法士の仕事は、主に運動機能の回復や維持のための訓練をおこないます。リハビリの患者さんは体をうまく使えない方が多いため、体全体を支える力や体力が必要です。

リハビリの安全を守るためにも体力は必要です。うまく体を支えられなければ、対象者も不安を感じることでしょう。

個別にプログラムを作成し、訓練を実施しますが、すぐに回復に向かうわけではありません。リハビリ対象者のモチベーションが低下していれば、じっくり話を聞く忍耐力も必要です。

さまざまな悩みを持つ方を対象にしており、個別に対応しています。自分自身に悩みがあったり、体調が悪かったりすれば、余裕もなくなります。

普段から健康管理に気をつけ、適切な訓練をすることが大切です。心身ともに健康で働けることが重要です。

忍耐力がある人

リハビリは誰もがスムーズに進むわけではありません。

思うように体が動かず落ち込んだり、前向きになれなかったりする患者さん、時には感情的になってしまう患者さんもいます。
そんなときはまず相手の気持ちを理解し、向き合わなければなりません。

  • ・リハビリを拒否している患者さんに無理にリハビリを行うのではなく、まずは話を聴くことから始める
  • ・家庭環境や精神的な背景を踏まえて、患者さんのペースに合わせて寄り添う必要がある

患者さんに寄り添ったケアができる人は、理学療法士として重宝されるでしょう。

理学療法士の仕事のやりがいって?

理学療法士は、ただ「体を動かすサポートをする人」ではありません。患者さんの今後の人生そのものに深く関わる仕事です。ここでは、実際の現場で感じられる理学療法士ならではのやりがいについてご紹介します。

患者の回復を間近で見られる

毎日のリハビリの中で、できなかったことが少しずつできるようになる姿は何度見てもうれしいものです。例えば、車椅子やベッドから起き上がれなかった方が、一人で起き上がることができるようになったことが、理学療法士の一番のやりがいと感じる方もいるようです。

チーム医療の一員として貢献できる

理学療法士は、医師・看護師・介護士などの他職種と連携しながら、それぞれの専門知識を生かして患者さんをサポートします。治療方針やゴールを決めるカンファレンスへの参加や、看護師や介護士と患者さんの現状を共有するといったことに携わることもあります。

治療を通してさまざまな学びを得ることができる

患者さんの状態は個々に違います。そのため、さまざまな観点から考えられる力が必要とされます。リハビリを進めていく中で、年齢や性格、生活状態によって治療方針が変わることがあるため、さまざまな学びを得る機会に恵まれます。技術面だけでなく、人との関わり方や考え方まで、幅広い学びを得られるのも理学療法士の魅力です。

理学療法士以外の道を検討した方がよい例

理学療法士の仕事にはやりがいや魅力がありますが、すべての方が「自分らしく働ける職業」とは限りません。理学療法士以外の道を検討したほうがよい例についても解説します。

プライベートを重視したい

仕事がスケジュール通りに進まない日や、書類作成・他部署との連携など、業務時間内に終わらないこともあります。「プライベートの時間が取れない」といってストレスを感じる理学療法士は、今一度、これからのことを考えてもよいかもしれません。

仕事への追求心が低い

理学療法士の現場では教科書通りにいかないことが多いため、想定外の事態はつきものです。そんなときに「どうしたらやりやすくなるか」といった追求する心や、考える姿勢が欠けていると、理学療法士としても成長は難しいでしょう。

持病がある・心身ともに安定していない

理学療法士は身体を使う時間が多く、常に人と関わります。体力だけでなく、メンタルの安定も求められることも少なくありません。心身ともに不安定という場合、職場のメンバーや患者さんにもよからぬ影響を与えることもあります。そのため、体力やメンタルに余裕のない方は別の道を選ぶのも1つの手です。

理学療法士のキャリアパス

理学療法士は「やめとけ」と言われる反面、現場以外でも知識や経験を生かせる場が広がっている仕事でもあります。ここではキャリアパスの例について解説します。

専門資格を取得する

理学療法士としてのキャリアを積み重ねていくには、患者一人ひとりの状態に合わせて柔軟に対応できるよう、現場での経験と知識のアップデートが必要です。例えば、認定療法士や専門理学療法士など専門の資格を取得することで、専門性を高めながらキャリアの幅を広げることができます。

スポーツトレーナー

理学療法士の知識や技術はスポーツの現場でも生かせます。例えば、運動に関わる仕事がしたい方には、サッカーチームの専属理学療法士になる、怪我をしたスポーツ選手の現役復帰を支えるという選択肢もあります。

Webライター・監修者

理学療法士の現場経験を生かし、ライターや記事の監修者として求められる場面が増えています。医療・介護系メディアでリハビリに関することを執筆したり、健康や医療に関する記事の監修をしたりするなどの案件にも巡り合えることもあるでしょう。近年では、副業やセカンドキャリアとして注目されています。

セミナー講師

理学療法士のキャリアを生かし、スキルアップや資格取得などの講師として働くこともできます。人前で話すのが得意な方や、教えることにやりがいを感じている方におすすめです。

理学療法士は「やめとけ」という人もいるが、将来性がある仕事

理学療法士の国家資格は、毎年1万人以上が合格しており、就職難が懸念されています。給料面や勤務時間などを考えて、理学療法士は「やめとけ」という意見を耳にします。

理学療法士は、ほかの医療職と比べて年収が低い傾向です。しかし、理学療法士の活動範囲は医療機関だけでなく、介護保険施設や教育機関・行政など、多岐にわたります。

患者さん一人ひとりと忍耐強く向き合い、身体機能回復の手助けができる、やりがいのある仕事です。メリット・デメリットを理解したうえで、理学療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

平野 波(ひらの なみ)
 
理学療法士/ライター
回復期病棟を経て、現在は介護老人保健施設に勤務。臨床経験を活かしながら、ライターとしても活動しており、自身のブログでは理学療法士に関する情報や現場での気づきを発信している。専門性と現場視点を大切にし、読者に寄り添った情報提供を心がけている。