介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 介護職の給料 理学療法士になるには?最短ルートや養成校の特徴をわかりやすく解説

介護職の給料

投稿日:
2026-04-28

更新日:
2026-04-28

理学療法士になるには?最短ルートや養成校の特徴をわかりやすく解説

理学療法士になるには、専門学校か大学などの養成校に入学し、国家試験に合格しなければなりません。
 
養成校への入学が必要なのはわかっていても、具体的な内容までは知らない方が多いでしょう。
 
この記事では、理学療法士になるために必要な学歴や、理学療法士になるための最短ルート、向いている人の特徴などを紹介しています。
 
理学療法士を目指している方は、進路選択の参考にしてみてください。

理学療法士とは

理学療法士は、病気や怪我によって身体機能が低下した方や、生まれつき身体に障がいを持つ方など、さまざまな患者さんを対象にリハビリを提供する専門職です。

主に徒手療法や運動療法といった方法を用いて、身体機能の維持・回復をサポートします。リハビリの目的は単なる機能回復にとどまらず、日常生活の円滑な遂行や趣味の再開、さらには社会復帰といった、患者さん一人ひとりの「その人らしい生活」の実現を目指しています。

また、身体機能の向上を図るだけでなく、在宅環境の調整や福祉用具の提案など、生活全体を見据えたサポートも大切な役割の1つです。理学療法士はリハビリを受ける方やご家族の希望に寄り添い、目標としている生活を獲得するためのサポートを行っています。

理学療法士は日常動作の回復をサポートする仕事

理学療法士は、リハビリを通じて患者さんの日常生活に必要な動作(歩く、立つ、座るなど)を日々無理なく行えるようにサポートするのが主な仕事です。

そのためにまず、患者さんの身体機能や動作の状態をしっかりと評価し、「なぜうまく動けないのか」「どこに課題があるのか」を明確にします。評価した内容をもとに適切な運動やアプローチを行い、少しずつ動作の改善を目指していきます。

ただ機能を回復させるだけでなく、「その人らしい生活」を取り戻すことを目標に、日常動作を中心にしたサポートを行うのが、理学療法士の大きな役割です。

理学療法士に向いている人とは

理学療法士は患者さんと直接関わりながら、身体機能の回復をサポートする仕事です。そのため、技術や知識だけでなく、人間性や性格的な資質も重要です。以下のような特徴を持つ方は、理学療法士に向いているといえるでしょう。

・コミュニケーションが得意
・忍耐力がある人
・繊細な変化に気づける人
・心身ともに健康な人


それぞれ詳しく解説します。

コミュニケーションが得意な人

理学療法士の仕事は、どれほど高度な知識や技術を持っていても、患者さんの協力がなければ十分な成果は得られません。

理学療法士一人が頑張るだけでは限界があり、患者さんの「頑張ろう」と思える気持ちを引き出すことが大切です。そのために欠かせないのが、信頼関係です。理学療法士の声のかけ方や表情、態度といったコミュニケーションのすべてが、患者さんの安心や信頼につながります。さらに、相手の心に寄り添い、前向きな気持ちを支える力は、リハビリの質にも直結します。

忍耐力がある人

リハビリは、一度や数回の実施で劇的な成果が出るものではありません。段階を踏みながら、地道に継続していくことが何よりも大切です。そのため、理学療法士には、患者さんに寄り添いながら支え続ける「忍耐力」が求められます。

思うように回復が進まないときでも、患者さんの小さな変化を見逃さず、前向きな声かけや励ましができる姿勢が大切です。理学療法士が焦ったり諦めたりすれば、その不安や迷いは患者さんにも伝わってしまいます。

繊細な変化に気づける人

理学療法士には、患者さんの身体のわずかな動きや症状の変化に気づける「観察力」が欠かせません。

わずかな違和感や小さな進歩を見逃さずに対応することで、より効果的なリハビリにつながります。こうした変化を患者さんに伝えることで、「少しずつでも前に進んでいる」という実感を持ってもらうことができ、リハビリ継続へのモチベーション向上にもつながります。

また、小さな変化に気づけることは、リスク管理の面でも重要です。体調や動作の変化を早い段階で察知することで、事故や症状の悪化を防ぐことにもつながります。

心身ともに健康な人

理学療法士の仕事は、身体を使って患者さんを支える場面も多く、一定の体力が求められます。さらに、リハビリを受ける患者さんに常に前向きな姿勢で寄り添うためには、精神的な安定も欠かせません。

自身の心身が健康でなければ、患者さんの身体をしっかりと支えることも、心の面で寄り添うことも難しくなります。

理学療法士の給料

理学療法士の平均年収は約430万円です(2023年)。給与は経験年数や勤務先、保有資格などによって変わります。ただし、リハビリの医療点数には上限があり、疾患ごとに報酬も決まっているため、病院や施設での収入にはある程度の限界があります。

一方で、近年は副業を認める医療機関も増えており、勤務先以外での活動やスキルの活用次第では、高収入を目指すことも可能です。

理学療法士の勤務形態

理学療法士の休みや勤務形態は勤務先によって異なります。一般的な勤務形態や休みの例について、以下の表にまとめました。

ただし、勤務先によって勤務形態が異なる場合もあるため、注意が必要です。

勤務先の種類勤務形態
休み
急性期病院月曜日~金曜日土日・祝日休み
リハビリ病院週5日勤務週休2日
クリニック月曜日~土曜日
(平日のいずれか・土曜日は午前中勤務)
日曜・祝日
午後半休が2日
介護施設月曜日~金曜日土日・祝日休み

リハビリ病院の場合、365日体制となっているため、勤務はシフト制です。平日に休みがあったり、土日祝日に出勤したりするケースもあります。

勤務先によって勤務形態や休みが異なるため、自分の生活スタイルに合った勤務先を選ぶとよいでしょう。

理学療法士の将来性

理学療法士は、将来性のある安定した職業といわれています。専門的な知識と技術を習得し、国家試験に合格しなければ従事できないため、ほかの職種に簡単に代替されません。

また、理学療法士が担うのは、人の身体に直接関わる繊細なサポートです。同じ病名がついても症状や身体機能は人によって異なり、その場の反応や変化を丁寧にくみ取る必要があります。こうした対応は、AIやロボットにはまだ難しいとされているため、人間の判断力と柔軟性が求められます。

さらに、病院やリハビリ施設だけでなく、在宅医療や福祉施設、スポーツ現場など、多様なフィールドで活躍できるのも大きな魅力です。このように活躍できる場が多岐にわたるのも、理学療法士の職業としての強みであり、長期的な視点でも安心感があります。

理学療法士免許取得における一般的な流れ

理学療法士になるには、高校卒業後に文部科学大臣または都道府県知事が指定した養成校で3年以上学び、臨床実習を経て国家試験に合格することが必要です。

国家試験に合格し、免許証が登録・交付されてはじめて、理学療法士としてリハビリを提供できます。

養成校に入学する

養成校の入学試験では、面接や学力試験が行われます。志願倍率が高い養成校もあるため、自身の学力や通いやすさなどを踏まえて選びましょう。

入試では、理学療法士に関する知識や役割(仕事内容や役割など)を理解しておくことが、面接でのアピールにつながり、ほかの志願者との差別化につながることもあります。

近隣に養成校があるかどうかを知りたい場合は、公益社団法人日本理学療法士協会の公式ホームページの理学療法士養成校一覧から確認できます。

関連サイト

公益社団法人 日本理学療法士協会|養成校一覧

国家試験を受験する

養成校を卒業(または卒業見込み)することで、理学療法士国家試験の受験資格が得られます。

試験は毎年2月に1回実施され、受験地は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県です。受験地は受験願書に記載して指定する仕組みになっています。

※理学療法士の口述および実技試験は視覚障害者が対象、一般の受験者は口述試験を設けていません

国家試験に合格後、免許申請を行う

国家試験の合格通知が届いたら、理学療法士免許の申請手続きが必要です。理学療法士免許証申請書を住民登録のある地域の保健所へ提出し、登録を済ませることで、正式に理学療法士として就業できます。

また、未登録で理学療法士の業務に従事した場合、行政処分の対象となる場合があるため、十分な注意が必要です。

2023年から登録済証明書がオンラインでも申請できるようになっています。詳しくは以下のリンクをご確認ください。

厚生労働省|医師等免許登録確認システム

申請し登録後、理学療法士として勤務でき、さらなるステップアップも可能

理学療法士免許を申請すると、後日、指定した住所に登録済証明書が届きます。この証明書に記載された「登録年月日」から、理学療法士として正式に業務に従事できます。

また、理学療法士の免許取得後に、日本理学療法士協会が認定する研修を受講すると、「登録理学療法士」の資格を取得することが可能です。この資格は5年ごとの更新制であり、継続的に研修会に参加し、所定のポイントを取得することが求められています。

登録理学療法士を取得することで、さらに専門的な知識と技術を証明する「認定理学療法士」や「専門理学療法士」へのステップアップも可能です。

理学療法士になるための最短ルート

理学療法士を目指す最短ルートは、3年制の専門学校または短期大学に進学し、卒業と同時に国家試験に一発合格することです。この場合、最短で高校卒業から3年で理学療法士として働けます。

3年制と4年制どちらの養成校も、カリキュラムの内容は同じです。そのため、3年制の養成校のほうが、講義や実習が詰め込みになるため、国家試験の勉強だけに集中できる期間が短くなります。最短ルートで理学療法士を目指す場合は、1年生のときからしっかり勉強することが必要です。

すでに作業療法士の資格を持っている場合は、2年以上の養成課程を修了することで、理学療法士国家試験の受験資格が得られます。

理学療法士の養成校は4種類

理学療法士の養成校は以下の4種類です。

・専門学校
・短期大学
・大学
・特別支援学校

それぞれの養成校について解説します。

専門学校

理学療法士の専門学校には3年制と4年制があります。養成校は指定規則にそって、定められた単位数を取得できる講義や実習のスケジュールを組んでいます。     

1年でも早く理学療法士になりたいという方は、3年制の専門学校を検討してみてください。

専門学校では、基礎知識や技術を重点的に学ぶ傾向があります。病院や介護施設などの臨床現場で活躍したい人は、大学よりも専門学校を選ぶとよいでしょう。

短期大学

理学療法士を育成する短期大学は以下の3校です(※2025年7月時点)。

・平成医療短期大学
・愛知医療学院短期大学
・大和大学白鳳短期大学部

専門学校や大学よりも学校数が少ないですが、3年制となっています。

大学

大学では理学療法に関する基礎的な分野から研究分野まで幅広く学べます。研究活動まで行うため、学術的に多くの内容を学びたいと思っている方には合っているでしょう。

また、大学は専門学校とは違い卒業後の進路として、大学院や研究職への道があります。国公立大学であれば、私立大学や専門学校に入学するよりも、学費を抑えられます。そのため、志願倍率が高く入学は難しい傾向ですが、学費を抑えたい方はチャレンジしてみるとよいでしょう。

特別支援学校

特別支援学校にはさまざまな科があり、そのうちの1つとして理学療法学科があります。入学対象は視覚障害者の方です。3年制で専門学校や大学などと同様に理学療法について学び、臨床実習も行います。

理学療法士国家試験は、視覚障害の程度に合わせた内容や実施方法で行われています。

例えば、筑波大学附属視覚特別支援学校理学療法科では、これまで約350人の理学療法士を輩出しており、日本各地で活躍中です。

理学療法士の国家試験の受験資格

理学療法士の国家試験の受験資格は以下のとおりです。

・理学療法士養成校を卒業した者(卒業見込み者も含む)
・外国において理学療法士または、これに相当する資格を有する者

外国において資格を取得している場合は、厚生労働大臣の認定が必要になるため、申請手続きが必要です。

詳しくは、厚生労働省の「理学療法士/作業療法士国家試験受験資格の認定について」のページをご覧ください。

働きながら理学療法士の免許は取得できる?

養成校によっては夜間部を設置しているところもあり、働きながら理学療法士免許を取得できます。

ただし、病院や介護施設での実習があるため、日中に仕事を休まなければならない期間があるため、職場の理解が必要です。毎年、実習期間があり長期の場合、約8週間にわたる場合もあります。

また、授業だけでは学習時間が不足することも多くなることが考えられるため、自己学習の時間を確保しなくてはなりません。

働きながら夜間部の進学を検討している方は、まずオープンキャンパスに参加し、在学生のリアルな声を聞いてみるとよいでしょう。

理学療法士の国家試験の難易度

理学療法士国家試験の合格率は、実施年度によっても変わりますが例年80%台とされています。合格率だけで見れば、難しい試験ではないと感じる方もいるでしょう。しかし、養成校で3年または4年間学んだ内容すべてが試験範囲となっているため、簡単に取得できる資格ではありません。

養成校でしっかり学び、国家試験対策をきちんとすれば、十分に合格を目指せる試験といえるでしょう。

まとめ

理学療法士になるには、高等学校卒業以上で、理学療法士の養成校(専門学校・短期大学・大学・特別支援学校)を卒業し、国家試験に合格する必要があります。

資格取得の最短ルートは、高等学校卒業後、3年制の専門学校または短期大学に進学し、国家試験の受験です。

専門学校では、基礎知識や技術を重点的に学び、大学では基礎から研究まで幅広く学べます。

理学療法士の就職先は、病院・クリニック・介護施設・スポーツクラブなど、多岐にわたります。理学療法士の知識や技術は幅広い分野で生かせるため、働き方次第では高収入を目指せるでしょう。また、理学療法士は、患者さんの身体に直接関わる繊細なサポートを担うため、ロボットやAIに代替されにくく、将来的にも安心して目指せる職業といわれています。

理学療法士は、患者さんの人生に関わるやりがいのある仕事です。ぜひ、理学療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。