介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 資格・就職・転職 介護福祉士の履歴書の書き方を解説!ポイントや注意点とは

資格・就職・転職

2023-03-29

介護福祉士の履歴書の書き方を解説!ポイントや注意点とは

介護福祉士は、精神的・身体的に介護が必要な方に対して、専門的な知識と技能を使ってサポートする仕事です。

 

2025年からは団塊の世代が75歳以上になり、福祉専門職のニーズは拡大しています。一方、介護職の人材を確保することが難しくなっています。

 

介護福祉士として働きたい方は、履歴書で自分の長所や強みを表現し、採用担当者によい印象を与えることが大切です。

 

この記事では、介護福祉士が履歴書を書く際に重要なポイントや注意点の解説をしています。志望動機の具体例の紹介もしています。ぜひ、参考にしてください。

介護福祉士の資格取得者の書き方

介護福祉士の資格取得者で、転職を考えている方の中には、履歴書にどのようなことを書けばよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

履歴書には、次のような項目があります。

学歴・職歴
免許・資格
趣味・特技
長所・短所
志望動機
自己PR
本人希望欄

介護福祉士として、どのような内容を書くとよいのか解説していきます。

学歴・職歴

まずは「学歴・職歴」からです。学歴は中学校卒業から記載し、必ず正式名称で記入しましょう。

職歴については、正社員・契約社員・派遣社員で働いた経験がある人は記入が必要です。また、介護関連のパートやアルバイトをした人も介護経験にあたるため、記載しておきましょう。

入社後、短い期間で辞めた人や転職回数が多い人は、職歴の記入をためらうかもしれません。しかし、職歴で空白の時期があると、面接時に聞かれることもあります。

空欄のままだと記載漏れだと思われる可能性もあります。たとえ転職回数が多くても、理由を説明できれば問題ないため、記入した方がよいでしょう。

免許・資格

介護福祉士の資格を記載する際は、登録日ではなく資格取得日を記載するようにしてください。

研修などを受講中で、資格を取得する予定の人は、研修名・終了予定年月日を書いておきましょう。

介護福祉士のほかにも、複数の介護関連の資格を持っている人は、時系列に沿って記入し、介護支援専門員(ケアマネージャー)や介護職員初任者研修(初任者研修)など、通称や略称ではなく、正式名称で記載してください。

趣味・特技

「趣味・特技」は、基本的に何を書いても構いません。介護関連以外のものを記載してもよいでしょう。面接時に話題になり、うまく話ができるきっかけになるかもしれません。

また、介護現場で役立ちそうな、音楽療法士やレクリエーション介護士2級などの資格があれば、自己PRにもなるでしょう。

長所・短所

履歴書での「長所・短所」は、介護職に適しているかを判断しています。履歴書に短所を書く際は、改善点を記載したり短所を長所に変換したりして、職場で生かせる方法を記載しておくとよいでしょう。

また、長所・短所欄は自分の人柄を伝えるチャンスです。利用者や一緒に働くスタッフに与える影響や、うまく人間関係が築けるかイメージできる内容が適切です。

志望動機

介護福祉士における志望動機は、応募する事業所でどのような仕事ができるかが重要です。ポイントは「一緒に働きたい」と思ってもらえることです。

また、ほかの事業所ではなく「なぜここで働きたいのか」を伝えるとよいでしょう。あらかじめ事業所のことを調べておけば、自分が持っている資格や得意なことをどう職場で生かせられるかアピールできます。

自己PR

履歴書の自己PRと長所は似ているため、同じような内容を書いてしまう人がいます。また、自己PRは自己紹介ではありません。

自分なら利用者にどのような対応ができるか、事業所がどんな人材がほしいと考えているか、ホームページなどから調べておき、簡潔にまとめるとよいでしょう。

本人希望欄

本人希望欄は、一般的に「貴社の規定に従います」と記載するのがマナーです。しかし、事情があり、希望を伝えたい人が使う項目でもあります。

年収や待遇といった内容は避け、介護や育児など家庭事情や、通院など健康状態の相談のために、勤務地や勤務時間・希望部署などがあれば記載しましょう。記載内容は分かりやすく必要最低限の内容に留めるようにしてください。

履歴書を書くときのポイント

履歴書を書く際は、次の6点を意識しましょう。

・読みやすい文字で書く
・誤字脱字に気を付ける
・空欄を作らない
・黒のボールペンを使用する
・同じ履歴書を使わない
・コピーを取っておく

少しの気づかいをするだけで、相手に好印象を与えられる履歴書が書けます。応募件数が多い人は面倒に感じるかもしれませんが、雑に扱ってしまうと相手に伝わってしまいます。

いい加減な仕事をする人だと思われないためにも、丁寧な履歴書を作成しましょう。

読みやすい文字で書く

履歴書は読みやすい文字で丁寧に書くように心がけましょう。字が下手なことが悩みの人もいるかもしれませんが、文字の上手下手ではなく、丁寧に書かれていることが重要です。

パソコンで履歴書を作成してもよいですが、文字は人柄が表れるため、手書きの履歴書が望ましいでしょう。

誤字脱字に注意する

履歴書の文字は誤字脱字に気を付け、万が一、間違ってしまった場合は書き直しが必要です。間違ってしまったからと言って、修正ペンや修正テープを使用するのは控えてください。

楷書で読みやすい文字を使用し、略字は使わない方が無難です。また、会社名・学校名・資格などは正式名称を記載しましょう。

空欄を作らない

履歴書の項目に空欄は作らず、ささいな内容でも記載した方が印象はよくなります。空欄があると、書き忘れだと思われる可能性があるからです。

「特になし」と書くのはマナー違反ではありませんが、なるべく避けた方がよいでしょう。「特になし」の項目が多くなると、働く意欲が低いとみなされてしまうため、注意が必要です。

黒の油性ボールペンを使用する

履歴書の文字は、黒の油性ボールペンもしくは、万年筆を使用しましょう。水性ボールペンの場合、摩擦でこすれたり、にじんだりする場合があるからです。

また、鉛筆で下書きをする場合、清書したあとシワにならないように消しゴムをかけ、汚れや折れ曲がりに注意してください。

同じ履歴書を使わない

履歴書を複数の事業所に応募する場合、同じ内容を何回も書くことになります。確かに面倒な作業ですが、他の事業所から返却された履歴書を使いまわすことは止めましょう。

他の事業所で使用したものを使うと、その事業所で不採用になったことが伝わってしまいます。

また、履歴書を新しく準備しないことは「どうしてもここで働きたい」という気持ちが伝わらず、「どうでもいいと思っているんだな」と思われるかもしれません。

もちろん、コピーの履歴書を送付するのはマナー違反にあたるため、使わないようにしましょう。

コピーを取っておく

履歴書を送付する前に、必ずコピーを取っておくようにしてください。面接時は、履歴書に書かれた内容に沿って話を進めていきます。

自分用にコピーを取っておくことは、履歴書の内容と募集内容との不一致が起きることを防げます。求める人材は、事業所によって異なります。複数の事業所を受ける人は、面接前に見直せるようにしておくことが重要です。

履歴書を書く際の注意点

履歴書を書く際のポイントのほかに、避けておきたい注意点が3つあります。

・ネガティブな表現は避ける
・間違いがないか確認する
・クリアファイルに入れて保管する

自分のイメージをよいものにするためにも、書き方や保存方法に気を付けて作成するようにしましょう。

ネガティブな表現は避ける

履歴書が作成できたら、見直しをしてネガティブな表現はないか探してみましょう。ネガティブな表現は、応募先の事業所によい印象を持たれません。

特に、転職を考えている人は、前の職場を辞める理由が悪口になってしまうこともあります。

施設側に「また同じ理由で辞めてしまうかも」と思われてしまうかもしれません。前職の不満をそのまま伝えるのではなく、前向きな改善点を考えておくことが大切です。

間違いがないか確認する

履歴書を見直す際は、西暦と元号が統一されているか、名前や部署名に間違いがないかなど、念入りに確認しておきましょう。

また、誤字脱字や名称を省略していないかなどのチェックも必要です。間違いに気付ける可能性が高まるため、できれば第三者に見てもらうこともおすすめです。

クリアファイルに入れて保管する

履歴書を持ち運ぶ際は、クリアファイルに入れて保管するようにしましょう。カバンに入れた摩擦によって、履歴書の文字がかすれたりにじんだりすることを防止するためです。また、履歴書の折れ曲がりや汚れ防止にも役立ちます。

郵送する場合は履歴書サイズの封筒を選び、クリアファイルに入れておくと雨にぬれても安心です。

履歴書の志望動機の具体例

実際に、履歴書を書く際には、どのような志望動機を記載してよいのか悩む方もいるでしょう。ここで、良い例と悪い例の具体例を紹介します。

良い志望動機の具体例

まずは、良い志望動機の具体例を見てみましょう。


私は、貴施設で介護福祉士として働きたいと考えています。私は、グループホームで5年間勤務しており、介護福祉士の資格を取得するために、勉強を進めてきました。
貴施設では、介護員の指導をはじめ、専門的な知識と経験を生かした業務がおこなえると考えています。
1日でも早く業務に慣れ、さまざまな業務を経験して貴施設に貢献していきます。また、自分の業務をおこなうだけでなく、スタッフのサポートをしながら、スキルアップしていきたいです。


希望する施設を選んだ理由や入社後の働き方がイメージできるような内容にすることが大切です。また、今の自分の経歴を生かせるような書き方をするとよいでしょう。

悪い志望動機の具体例

次は、志望動機のあまり良くない例を紹介します。


私が貴施設を志望したのは、人の役に立ちたいと思ったからです。また、研修など勉強できる機会があるため、スキルアップができると考えました。私は、介護福祉士としての経験は多くありませんが、採用していただけたら先輩から指導を受け、精一杯仕事をしたいと考えています。


これまでの経験や入社後の働き方がイメージしにくい内容です。また、研修や先輩からの指導で学びたいなど、積極性に欠け他人任せの印象を受けます。経験も少ないことから自信のなさも見え、仕事を任せたいと思われないでしょう。

まとめ:介護福祉士の履歴書には、介護系の職歴や資格を書いておこう

この記事では、介護福祉士が履歴書を書く際のポイントや注意点を紹介しました。履歴書の記載欄は空欄にせず、小さなことでもよいので記載するようにしましょう。

履歴書は応募する事業所ごとに作成し、丁寧に書くようにしてください。文字に自信がない方は、パソコンを使用してもよいでしょう。

志望動機や自己PRは、分かりやすく簡潔に書くようにしましょう。自分の希望ばかり書くことやネガティブな表現をしないように注意が必要です。

介護に関わる資格や特技は必ず記載し、希望する事業所でどれくらい役に立てるかアピールすることが大切です。まずは、働きたい意欲を表現できる履歴書を作成してみてください。

藤井寿和

18歳~24歳まで陸上自衛官の救急隊員(衛生科)を経験し、三宅島噴火に伴う災害派遣をきっかけに介護の仕事に転身。医療法人で在宅医療に特化した介護を学び、管理者・事業部統括マネージャーに就任した後、株式会社にて超都心型デイサービスの管理者を経験。その後、35歳で独立。