介護情報メディア ケアケア 介護士向けコラム 介護資格・スキルアップ 介護福祉士になるには登録証が必要?登録方法や手続きの流れ変更・再交付まで徹底解説!

介護資格・スキルアップ

2023-03-16

介護福祉士になるには登録証が必要?登録方法や手続きの流れ変更・再交付まで徹底解説!

介護のエキスパートといわれる介護福祉士。合格を目指して頑張っている方もたくさんいらっしゃることでしょう。実は試験に合格しただけでは介護福祉士として名乗れないことをご存じでしょうか?

 

正式に介護福祉士となるためには、合格後に規定の手続きをおこなわなければなりません。今回は介護福祉士試験合格後におこなう登録とは何か、手続きの流れや登録後の変更・再交付の方法まで詳しく紹介します。

介護福祉士の資格登録方法と流れ

介護福祉士の資格登録とは、介護福祉士試験に合格した後、おこなう登録手続きのことです。手続きに期限の定めはありません。おこなわない場合も国家試験の合格は有効のままですが、介護福祉士の名称は登録を完了しなければ使用することはできないため注意が必要です。

登録に必要な手続きは、下記の流れでおこないます。

1.提出に必要な書類をそろえる
2.必要書類を社会福祉振興・試験センターに提出
3.必要書類が受理・登録された後、名称を使用できる

では早速、資格登録の方法、およびその流れについて解説していきましょう。

1.必要書類を提出する

介護福祉士試験に合格したら、4月上旬を目安に社会福祉振興・試験センターから合格証書と登録に必要な書類が郵送されます。まずは記載されている下記の書類を整えましょう。

①登録申請書
②登録免許税「収入印紙」の原本
③貼付用紙
④登録手数料「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本
⑤本人確認書類
⑥介護福祉士養成施設などの卒業(修了)証明書

ここからは、それぞれの書類について詳しくご説明します。

必要な書類詳細
①登録申請書②の収入印紙を貼り付けて提出します。
②登録免許税「収入印紙」の原本登録免許税(9,000円)を郵便局などで購入します。
③貼付用紙「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本を貼り付けます。
④登録手数料「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本登録手数料(3,320円)を郵便局などで支払い、その証明書を③貼付用紙に貼り付けます。
⑤本人確認書類次のア、イ、ウのいずれか1通を用意します。
ア 戸籍抄本の原本
イ 戸籍の個人事項証明書の原本
ウ 「本籍を記載した」住民票の原本
※外国籍の方は別途、下記書類が必要になる場合がありますのでご注意ください。
●中・長期の在留者および特別永住者…国籍等を記載した住民票の原本
●短期の滞在者…パスポートその他、身分を証明する書類のコピー
⑥介護福祉士養成施設の卒業証明書原本介護福祉士養成施設の卒業証明書原本を必要とする対象者は以下の通りです。
・介護福祉士養成施設を平成29年3月31日までに卒業した者
・介護福祉士養成施設を平成29年4月1日から令和9年3月31日の間に卒業し、経過措置による登録を受ける者

「合格証書と必要書類が届かない」という場合は、まず社会福祉振興・試験センターに問い合わせて確認してみましょう。

社会福祉振興・試験センター:03-3486-7559

2.試験センターで受理される

郵送した提出書類が試験センターに到着した後に審査がおこなわれます。ここで審査が通らない場合、介護福祉士の名称は使えませんので、書類作成の際には記入漏れや誤字・脱字などがないか、しっかり確認しましょう。

ミスや漏れなどがなければ、そのまま登録されますが、不備があれば提出者に書類が返送されます。もし書類が返送されてきた場合は修正し、速やかに再提出しましょう。

3.登録証が交付される

必要書類を提出した後、審査が問題なく進めば、約1か月で介護福祉士登録証が郵送で届きます。郵送時に合格者が不在の場合は、不在届が投函されるため、1週間以内に受け取るようにしてください。

次は、アクシデントにより登録申請書などの必要書類を紛失した場合の対処方法を解説します。

介護福祉士資格試験合格後に登録申請書などを紛失した場合

試験合格後、社会福祉振興・試験センターから届いた登録申請書などの必要書類を紛失してしまった場合は、試験センター登録部に対して請求ができます。請求の際に提出が必要な情報は以下の通りです。

①送付先の郵便番号と住所
②氏名
③生年月日
④電話番号
⑤請求の理由(紛失した、または汚損したなど)
⑥国家試験合格者か養成施設卒業(修了)者のどちらかを明記(養成施設卒業または修了者の場合、卒業年月日も記載する)

上記①~⑥の情報を紙に記入し封筒に入れます。社会福祉振興・試験センターの住所と宛名を書き、同面の空いたスペースに、「介護福祉士登録の手引(新規登録用)請求」など、目立つように赤色で書き込んでおくとよいでしょう

社会福祉振興・試験センター
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目5-6

紹介したように、万一、登録申請書などの書類を紛失してしまっても、必要な手続きを取れば再発送してもらえます。落ち着いて手続きを進めていきましょう。

次に、介護福祉士資格の登録を完了後に登録内容を変更したい場合はどうすればよいかについて解説していきます。

介護福祉士資格の登録内容を変更したい場合

介護福祉士資格の登録内容を変更する際に必要となる書類、および変更の手続きの詳細について紹介します。

登録内容の変更が必要なケース

介護福祉士は現在、更新の必要がない資格ですが、本籍地の都道府県(外国籍の方はその国籍)または氏名が変更された場合などは、登録内容を変更する必要があります。

変更に必要な書類

本籍地・氏名に変更があった場合、介護福祉士資格の登録内容を変更するには、下記の書類および手数料が必要になります。

必要な書類など詳細
1.登録事項変更届出書社会福祉振興・試験センターのWebサイトからダウンロードできます。
2.戸籍抄本の原本(※)、個人事項証明書の原本のいずれか※外国籍の方の場合、中長期滞在者の方は以下の1と2、短期の滞在者の方は1と3のそれぞれ2通が必要になります。
1.変更前の内容が確認できる公的な書類のコピー
2.中・長期の滞在者および特別永住者…国籍などを記載した住民票の原本
3.短期の滞在者…パスポートその他、身分を証明する書類のコピー
3.貼付用紙社会福祉振興・試験センターのWebサイトからダウンロードできます。
4.振替払込受付証明書の原本所定の金融機関で登録変更手数料を支払うと発行されます。
5.登録証の原本変更が必要な登録証。
6.登録事項変更にかかる手数料1,200円

変更に必要な書類がそろったら、次の手順に移りましょう。

変更する際の手順

必要書類が準備できたら、簡易書留で社会福祉振興・試験センターの登録部に郵送してください。書類の内容に不備がなければ、およそ1か月で新しい登録証が届きます。

住所のみ変更の場合は郵送・Webサイトでの手続きで完了

住所のみ変更する場合は社会福祉士振興・試験センターのWebサイト、あるいは郵送にて変更手続きをおこなえます。この場合は手数料や登録証・住民票などの書類も必要ありません。

また、住所変更のみであれば新しい登録証の交付はなく、最初の登録証を引き続き所持することになります。

続いては、紛失や汚損などにより介護福祉士登録証の再交付を求める場合の方法や手続きの流れについて解説します。

介護福祉士登録証を再交付してほしい場合

介護福祉士登録証を再交付してもらう際に提出が必要な書類、および手続きの詳細について紹介します。

手続きは登録証の変更とほぼ同じですが、必要書類が一部変わります。また介護福祉士登録証の紛失・汚損時に住所のみ変更していた場合は、再交付申請と同時に変更手続きをおこなうことも可能です。

登録証再交付に必要な書類

介護福祉士登録証を再交付してもらうには、以下の書類および手数料が必要です。

必要な書類など詳細
1.登録事項変更届出書社会福祉振興・試験センターのWebサイトからダウンロードできます。
2.戸籍抄本の原本(※)もしくは戸籍の個人事項証明書(電子化された戸籍抄本)※外国籍の方の場合、中長期滞在者の方は以下の1と2、短期の滞在者の方は1と3のそれぞれ2通が必要になります。
1.変更前の内容が確認できる公的な書類のコピー
2.中・長期の滞在者および特別永住者…国籍などを記載した住民票の原本
3.短期の滞在者…パスポートその他、身分を証明する書類のコピー
3.貼付用紙社会福祉振興・試験センターのWebサイトからダウンロードできます。
4.振替払込受付証明書の原本所定の金融機関で登録変更手数料を支払うと発行されます。
5.登録証の原本紛失の際は不要です。
6.登録事項変更にかかる手数料1,200円

紛失によって登録証が手元にない場合は、登録証再交付申請書に提出できない理由を記載します。また汚損が理由で再交付を求めるなら、登録証を提出する前にコピーを取っておくことをおすすめします。新しい登録証が手元に届くまで、念のため保管しておきましょう。

登録証再交付の手続きの流れ

再交付までの流れは、登録内容の変更手続きの際の流れとほぼ同じです。必要書類が準備できたら、社会福祉振興・試験センターの登録部に簡易書留で送ってください。変更の場合と同じく、再交付も特に問題がなければ、およそ1か月で新しい登録証が送られてくるはずです。

介護福祉士登録証の申請や変更、再交付は忘れず速やかに手続きを

介護福祉士試験に合格しただけでは、正式に介護福祉士を名乗れないと知って驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

介護福祉士登録証の交付は書類提出から約1か月を要するため、提出書類が届いたら速やかに資格登録の準備をするのがおすすめです。準備する書類が多いため、全てをそろえるにはある程度の時間を見ておいた方がよいでしょう。

また、登録証を紛失・汚損してしまっても、必要な手続きをきちんとおこなえば再交付してもらえます。ただし、手続きには時間の手間や、再交付までの期間がかかることから、できる限り紛失・汚損は避けたいものです。普段から大切に保管する習慣をつけることをおすすめします。

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。