介護情報メディア ケアケア 地域の介護支援情報 介護の仕事で必要な資格とは?試験要件や取得のメリットを紹介

介護の仕事で必要な資格とは?試験要件や取得のメリットを紹介

介護の仕事は無資格・未経験でも始められます。(R4.10月現在)
しかし、資格を取得しておくと収入アップや、責任のあるポジションにキャリアアップしていくことも可能となります。また、選択の幅が広がり、就職や転職にも有利です。
そこで今回は、これから介護職を目指す方、もしくは介護業界でキャリアアップを目指している方に向けて取得しておくべき資格と試験情報についてまとめました。

無資格・未経験から目指す介護の資格

介護の仕事は無資格・未経験でも資格取得することでキャリアアップが可能です。
介護職のキャリアパス(キャリアの道すじ)は次の通りです。

1.介護職員初任者研修
2.介護福祉士実務者研修
3.介護福祉士

ここでは、無資格・未経験から目指す3つの介護の資格と試験情報について解説します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、これから介護の仕事を始める人が基礎的な介護の知識や技術を習得するための入門的な資格です。以前にあった「ホームヘルパー2級課程」に変わる資格として、新たに創設されました。この資格を取得すると、訪問介護の現場で利用者の身体に直接触れる「排泄介助」や「入浴介助」などの身体介護がおこなえるようになります。
受講要件はなく、130時間の研修課程を修了すると誰でも資格取得を目指せます。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、初任者研修よりもレベルの高い内容で、介護職員として働くうえで必要な介護過程の展開や認知症、医療的ケアなどを習得します。

実務者研修の講習時間は450時間以上と定められており、研修をすべて修了すると資格が取得できます。なお、実務者研修は無資格者でも受講可能です。また、初任者研修の資格を持つ人は、実務者研修で受講する科目の一部が免除されます。この資格を取得すると訪問介護事業所のサービス提供責任者になることができます。また、実務者研修は介護福祉士を受験する際に必須となる資格です。

介護福祉士

介護福祉士の資格は数ある介護系の資格で唯一の国家資格です。一般的な介護事業所では管理職に就くために介護福祉士資格を条件にしている場合があります。介護福祉士の国家試験を受けるためには、定められた受験資格を満たす必要があり、次の4つのルートで得ることができます。

1.養成施設ルート
・国や都道府県が指定した養成施設において、介護福祉士として必要な知識と技能を修めて卒業した人が受験資格を得られます。

2.実務経験ルート
・介護現場で3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)の実務経験と「実務者研修」を修了した人が受験資格を得られます。

・介護現場で3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)の実務経験と「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修(3号研修を除く)」を修了した人が受験資格を得られます。介護福祉士の国家試験を受ける人の約9割はこの「実務経験ルート」で受験しています。

3.福祉系高校ルート
・福祉系高等学校(2009年度以降の入学者)において、定められた科目・単位を取得し卒業した人が受験資格を得られます。

・特例高等学校(専攻科を含む)において、定められた科目・単位を取得し卒業した後、9ヵ月以上(従業期間9ヵ月以上、従事日数135日以上)の実務経験をした人が受験資格を得られます。

4.経済連携協定(EPA)ルート
・経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者として来日し、3年以上(在職期間3年以上、実働日数540日以上)介護等の業務に従事した人は受験資格が得られます。介護福祉士の試験は例年1月(筆記試験)と3月(実技試験)に実施。実技試験は一定の条件を満たしていれば免除されます。

実技試験が免除されるのは以下に該当する人です。
・実務経験を3年以上積んでおり、2012年以降に実務者研修を修了した人
・「介護技術講習」を受講し、修了認定を受けた人

合格率は70%であり、しっかりと試験対策をして勉強した人であれば、合格できる難易度と言えるでしょう。

介護福祉士からキャリアアップを目指す資格

介護福祉士に合格後、現場で実務経験を積むことで、認定介護福祉士や認知症ケア専門士、介護支援専門員(ケアマネージャー)へのキャリアアップが目指せます。次に、それぞれの資格について解説します。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、厚生労働省によって介護福祉士の上位資格として、位置付けられている民間資格です。認定介護福祉士は、介護チームのリーダーに対する教育指導やサービスのマネジメント、介護チームの質の向上を図るなど、指導的立場として人材育成を担います。また。他職種と介護チームの連携・協働を促進する中核的な役割を担うことを期待されている資格です。

認定介護福祉士になるためには「認定介護福祉士養成研修」を受講する必要があります。全科目(22科目)を修了するためには、600時間(1年半〜2年程度)かかります。受講要件は、介護福祉士資格を持ち、介護福祉士として実務経験が5年以上あることです。なお、認定介護福祉士は、5年ごとの更新制の資格となっています。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士の資格は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する更新制の資格です。介護福祉士の資格を持つ人の取得率が高く、介護現場や医療現場で認知症ケアの知識や技術を指導できる立場として活躍できます。

認知症ケア専門士の資格を取得するには「認知症ケア専門士認定試験」を受験する必要があります。また、受験するためには認知症ケアの関連機関や団体において、受験年の3月31日より10年以内に3年間の実務経験が必要です。
例えば、2023年に受験する場合は、2013年4月1日から2023年3月31日までの間に、合計で3年以上の認知症ケアの実務経験を積んでいる必要があります。

試験内容スケジュール
第1次試験(筆記試験)7月頃
論述試験の提出8~9月
第2次試験(論述・面接)12月頃

合格率は約48〜60%とやや高めの難易度です。なお、この資格は5年ごとの資格更新が必要となります。

介護支援専門員(ケアマネージャー)

介護支援専門員は、利用者やその家族からの相談業務やケアプラン(介護サービス計画)の立案、関係機関との連絡調整をおこなうことが主な業務となります。介護支援専門員に合格した人の職種は介護福祉士がもっとも多く、介護業界で長く働きたい人がキャリアアップを目指して取得していることが伺えます。
介護支援専門員になるためには、まずは都道府県知事が実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格することが必須です。合格後に「介護支援専門員実務研修」の課程を修了し、都道府県に登録することで介護支援専門員の資格が取得できます。

介護支援専門員の試験を受けるためには、介護福祉士の資格を取得後、5年間の実務経験が必要です。

「介護支援専門員実務研修受講試験」は都道府県ごとに例年10月に実施されます。
直近4年間の合格率は10〜23%と低く、難易度が高いと言えます。

介護職としてスキルが身に付く資格

ここでは、 介護従事者としてさらなるスキルアップを目指したい方に2つの資格を紹介します。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害のある方に住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。資格は1~3級まであり、この資格を取得すると、医療・福祉・建築にまつわる幅広い知識をもとに、住みやすい住環境の提案や福祉用具についてのアドバイスがおこなえます。また、2級以上を取得すると介護保険の住宅改修に関わる書類の作成が可能です。

資格を取得するには、東京商工会議所検定センターが実施する「福祉住環境コーディネーター検定試験」に合格しなければなりません。試験要件は、2・3級は制限なく誰でも受験可能です。1級の受験は「2級合格者」が要件になります。

試験日程は、1級が年1回(例年12月)、2・3級については年2回(例年7月~8月・11月~12月)に実施されています。合格率については、1級は約10%、2・3級では約60%以下です。1級は比較的難易度が高く、2・3級は高めの合格率ですが、年によってばらつきが見られます。

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、高齢者や障害のある方の心身の状況や生活環境に適した福祉用具についてアドバイスをおこなう専門職です。他の介護保険サービスの専門職と連携しながら、利用者が適切な福祉用具を選定することを支援する役割を担っています。この資格は、「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、修了試験に合格することで取得可能です。受講資格の制限は特になく、全50時間のカリキュラムを約1週間かけて受講します。

なお、介護福祉士・社会福祉士・保健師・看護師(准看含む)・理学療法士・作業療法士・義肢装具士に関しては、資格を保有しているだけで福祉用具専門相談員として認められています。

介護職の経験を活かせる資格

介護職の経験を活かしてステップアップしたい方には、次の2つの国家資格をおすすめします。

社会福祉士

社会福祉士は、相談支援業務をおこなう社会福祉専門職の国家資格です。高齢者から子どもまで幅広い年齢層に対する相談業務やサービス利用の調整、関係機関との連携が主な仕事です。社会福祉士になると、介護業界に限定することなく、医療・福祉・行政など、幅広い分野で活躍できます。

社会福祉士になるには、国家試験に合格する必要があります。国家試験を受けるには受験資格が必要で、その取得ルートは経歴によってさまざまです。例えば、福祉系大学や短大で指定科目を履修している人はすでに受験資格があります。そのほかには、養成施設の卒業や指定施設で5年以上の実務経験が必要というルートもあります。

社会福祉士の国家試験は1年に1回、例年2月におこなわれ、合格率は25%~30%で、比較的難易度の高い資格と言えます。

正看護師

介護福祉士から看護師の資格を取得すれば、介護業務に加えて、医療ケアを提供できるため、利用者への医療サポートが可能となるなど業務の幅が広がります。正看護師として働くには国家資格が必要となりますが、国家試験を受けるためには受験資格が必要で、その取得ルートは学歴や経歴によってさまざまです。例えば、文部科学省指定の大学または学校(3年制以上)で指定のカリキュラムを修了していれば卒業と同時に受験資格が得られます。准看護師の免許がある人は、3年の実務経験を積んで看護学校を卒業する、あるいは指定の大学や学校で2年以上就業する必要があります。看護師国家試験は例年、2月中旬に実施され、合格率は毎年90%前後で推移しています。

まとめ

これから介護職を目指す方と、介護でキャリアアップを目指している方に向けて取得しておくべき資格と試験情報について解説しました。 高齢化が進むことで介護業界の人手不足は深刻化しているので、即戦力となる人材の需要がより一層高まっています。資格を持っていると就職や転職に有利に働くだけでなく、介護の知識や技術を持っている証しとなるため収入アップやキャリアアップにもつながります。資格を取得するメリットは非常に大きいので、ぜひ資格試験に挑戦してみてください。

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。