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2023-05-08
言語聴覚士のやりがいってどんなもの?魅力や求められている人物像を解説
言語聴覚士は、病気や事故によって言葉や飲み込みに関する問題を抱える方に、訓練やサポートをする専門職です。
言語聴覚士を目指している方の中には「どんなところにやりがいを感じているんだろう?」「言語聴覚士の魅力って何かな」と考えるのではないでしょうか。
今回は、言語聴覚士の業務内容をはじめ、言語聴覚士のやりがいやメリットについて解説しています。
言語聴覚士は、子どもの発達のサポートや高齢者を支援できるため、幅広い年齢の方と関わりが持てるでしょう。長期間、言語聴覚士として活躍していくためにも、ぜひ参考にしてください。
言語聴覚士とは
言語聴覚士は、言葉や飲み込みに関する専門家です。事故や病気などで、悩みを持った方の力になれるため、人の役に立てる喜びが感じられる仕事といえます。
言語聴覚士は、言葉や飲み込みに対する訓練をしており、介護福祉施設で働くこともあります。
子どもの言葉の発達にも関わる場合もあり、子どもから高齢者まで対象者が幅広く、さまざまな場所で活躍できるでしょう。
言語聴覚士の年収は、厚生労働省の調べによると430.7万円です(2023年4月現在)。しかし、働く地域や施設によって異なるため、就業の際は確認するとよいでしょう。
言語聴覚士は、緊急対応することはほとんどなく、夜勤対応もありません。残業については職場によって異なるものの、就業時間内に終われることが多く、ライフプランが立てやすい職種です。
言語聴覚士はほかのリハビリ専門職と比較して、力を使うことが少なく、年齢や性別に関わらず、女性にも働きやすい専門職として注目されています。
言語聴覚士のやりがいとは
言語聴覚士を目指す方にとって、言語聴覚士のやりがいが気になる方も多いのではないでしょうか。
言語聴覚士として長く働くためにも、仕事を通して得られるやりがいや魅力について解説します。
回復のサポートができる
言語聴覚士は、病気やケガで言葉を失ってしまった方やうまく表現できなくなった方の訓練やサポートをおこないます。
そのため、指導やリハビリを通して、少しずつ回復する様子を間近で確認できます。
対象者に合わせたプログラムを作成し訓練を続けることで、対象者の機能が回復し、家庭や社会に復帰できる姿が見られることも、言語聴覚士のやりがいのひとつです。
専門資格を発揮できる
ほかのリハビリ専門職と違い、言葉によるコミュニケーションや飲み込みなどのリハビリをおこないます。
また、対象者へのリハビリのほかにも、医師や看護師などの多職種連携や家族へのサポートも担います。
専門分野が発揮できる分、1人で分担することもあり、孤独を感じることもあるでしょう。しかし、言語聴覚士のアドバイスによって対象者の生活環境が大きく改善されることもあるため、より専門性を感じられる職種といえるでしょう。
子どもの成長を感じられる
言語聴覚士は、成人の方だけではなく、子どもの言葉の発達にも関わります。子どもは、発達障害や知的障害の影響で、言葉の取得が遅れ、コミュニケーションが苦手な場合があります。
周囲に関心を持たせ、単語や言葉を覚えることや、訓練する子どもの姿を見ることで、子どもの成長を感じることでしょう。
また、家族や教育機関に協力し、子どもの環境を整えることも言語聴覚士の役割のひとつです。
より深い交流ができる
病気や障害で話せない方とは、身ぶり手ぶりなど、言葉以外のコミュニケーションを取ることもあります。
また、言語聴覚士は、対象者の話したいことを最後まで時間をかけて聞くことがあり、リハビリを通して、より深い信頼関係を結ぶこともあるでしょう。
1対1でリハビリすることも多いため、対象者と時間を共有することが増え、回復や達成を共に分かち合えます。
言語聴覚士の魅力とは
言語聴覚士は、やりがいのほかにもさまざまな魅力があります。業務内容や働き方など、言語聴覚士の魅力について解説していきます。
人の役に立っていると感じられる
言語聴覚士の魅力は、何といっても人の役に立っていると感じられることです。突然、言葉を自由に使えなくなることや飲み込みができなくなることは、本人にとって大きな障害となり、ストレスもかかるでしょう。
言語聴覚士は、急性期から回復期まで、長期にわたって関わる職種です。言葉や摂食機能の改善など、家庭や社会復帰を目指している方のサポートをすることで、対象者が回復する姿を見ることも可能です。
家庭や社会復帰できたときの対象者の笑顔を見たときは、何ものにも代えがたい喜びを感じられるでしょう。また、本人だけではなく、家族からも感謝やお礼を言われることも言語聴覚士の魅力のひとつです。
性別や年齢を問わず活躍できる
言語聴覚士の業務時間の多くは8:00~18:00の間に設定されていることが多く、業務内容はリハビリが中心です。そのため、夜勤がなく緊急対応をすることもほとんどないでしょう。
また、理学療法士や作業療法士のように体を使うことも少なく、力を必要としません。選ぶ施設によっては、勤務時間が短い業務を選択できるため、結婚や子育て中でも働きやすく、女性も活躍できます。
将来性がある
今後、日本ではさらに高齢化が進み、加齢による摂食・嚥下障害が起きることも推測されます。
介護保険制度が開始してから約20年間で、介護保険のサービス利用者は約3倍以上となっています。医療機関以外にも、介護保険施設などで言語聴覚士の需要が増えてきているため、今後はさらに、求人が増えるでしょう。
また、令和2年度の診療報酬改定により、難病患者リハビリテーションや脳血管疾患等リハビリテーションの施設基準に言語聴覚士の配置が求められ、加算基準の見直しもされています。
言語聴覚士の国家試験には毎年2,500人ほど受験していますが、ほかのリハビリ専門職と比べると、受験人数や有資格者は少ない状況です。
言語聴覚士に向いている人
「言語聴覚士の仕事って自分に向いている?」と、疑問を持つ方もいるでしょう。
どのような人が言語聴覚士に向いているか、自分の性格と照らし合わせながら見てください。
相手の気持ちに寄り添える人
対象者の中には、リハビリをすることに前向きな気持ちになれず、なかなか心を開いてくれないこともあります。
言語聴覚士は、対象者の心に寄り添い、時間をかけて関わっていく仕事です。相手の気持ちや立場に立って対応していくには、相手の気持ちを理解できる人が向いているといえるでしょう。
コミュニケーションが好きな人
言語聴覚士は、コミュニケーションが好きな人が向いています。対象者と1対1の対応をすることも多く、職場環境によっては医師や看護師・介護職員など、ほかの職種との連携も必要です。
チームワークが必要な場面も多く、ときには家族にリハビリ内容の説明をする場合もあります。また、家族から相談を受けることや指導する場面もあるでしょう。
これらの業務を煩わしく感じることなく楽しめる方に向いています。
根気のある人
事故や病気など、言語聴覚士がリハビリをおこなう対象者の原因はさまざまです。人によって回復する速度も違うため、長期にわたってサポートできる根気強さが必要です。
うまく言葉が出せない方の気持ちを引き出したり、思いを伝えるまで気長に待ったりすることも多いでしょう。
また、リハビリを続けていく中でも、すぐに成果が出る対象者もいれば、なかなか改善が見られない対象者もいます。
ときには、うまくいかないことで対象者のやる気が低下してしまう場合もあるでしょう。対象者の気持ちに寄り添い、励ましながら訓練を続けていくためには、根気のある人が言語聴覚士に向いています。
些細な変化に気付ける人
言語聴覚士は、些細な変化に気付ける人が向いています。言語聴覚士の訓練を受ける対象者は、気持ちをうまく表現できない方が多い傾向です。
対象者の表情や身体の動きなど、小さな変化に気付き、どのような気持ちなのか読み解く力が必要です。ほかにも、対象者の様子を見ながら訓練のプログラムを進めることや改善をしていくため、変化には敏感に反応することが求められるでしょう。
また、高齢者になれば日や時間によって体調が変化します。対象者の表情などから「今日は調子が悪そうだな」「何か言いたいことがあるのかな」などと、些細な変化に気付けることが大切です。
言語聴覚士は人に寄り添えるやりがいのある仕事
言語聴覚士は、病気や事故で言葉に問題を抱える方や飲み込みが困難になっている方を対象にリハビリをおこなう職種です。
言葉の発達に遅れが見られる子どもに対しては、コミュニケーションに関心を持ってもらうことや、学校や家族に向けてアドバイスをすることもあります。
言語聴覚士の仕事は、専門知識を生かして人の役に立てるやりがいのある仕事です。また、高齢者の増加に伴って、施設などの増加も考えられるため、言語聴覚士の需要は高まることでしょう。
言語聴覚士は、年齢や性別を問わず長く働ける資格でライフイベントに合わせた仕事がしやすいため、ぜひ、言語聴覚士を目指してみてはいかがでしょうか。