介護情報メディア ケアケア 一般介護向けコラム 地域の介護支援 子ども食堂の現状は?今後の課題と支援方法についてわかりやすく解説

地域の介護支援

2024-01-25

子ども食堂の現状は?今後の課題と支援方法についてわかりやすく解説

「コロナ禍で子ども食堂は、運営できているの?」「子どもたちが困ってないかな?」と感じることはありませんか?

 

子ども食堂は、地域住民や自治体が主体となり、子どもたちに無料または低価格で食事を提供するコミュニティの場です。「子ども」と名前はついていますが、大人も利用でき、さまざまなニーズに応えています。

 

近年、世界中で大きな被害を出した新型コロナウイルスの影響で、子ども食堂が運営できているのか?また、利用していた子どもたちが健康を維持できているのか気になるところです。

 

この記事では、子ども食堂の現状と今後の課題を解説します。子ども食堂の現状と今後の課題がわかると、あなたができる支援方法が明確になるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

子ども食堂の現状について

子ども食堂の現状を以下から確認していきましょう。

・子ども食堂の数

・子ども食堂の利用者

・全国的な支援状況

それぞれに解説します。

子ども食堂の数

2022年に「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下むすびえ)」が実施した調査結果では、子ども食堂の数は、全国に7,363か所でした。

2021年度と比べると、1349か所増加しており、コロナ禍でも子ども食堂の数は増え続けているのです。

子ども食堂の利用者数

子ども食堂1か所の参加人数の平均は「子ども36.2人、大人23.2人」です。

全国的な支援状況

2023年に「むすびえ」が実施したアンケートの結果では「民間からの物資・資金支援が増えた」と回答した子ども食堂の数は4割を超えました。

ただし、物価上昇による影響を感じていると回答している子ども食堂の数は8割を超えています。

資金の不足だけではなく、子ども食堂の運営スタッフや会場の不足などにも悩まされている状況です。

コロナが子ども食堂にあたえた影響

コロナ禍により、子ども食堂の役割が奪われ、大きな影響がありました。

子ども食堂は単なる食事提供の場ではなく、子どもたちの居場所としての重要な役割を果たしています。

しかし、感染症対策のための人数制限や時間制限、公民館の使用制限などの影響で、その役割が失われています。特に、高齢者も参加する多世代交流の場としての側面が影響を受けており、運営者や地域住民、行政間で開催に賛成・反対の意見が分かれたことにより、事業は縮小せざるを得ない状況となったのです。

運営側は、感染対策と子ども食堂の本質的な役割の間で難しい調整を迫られた結果、多くの団体が子ども食堂の代わりにフードパントリーのような個別支援にシフトしている状況があります。

コロナの感染流行に加えて、物価高騰も影響し経済的に厳しい家庭が増えることも考えられます。そのため、今後も子ども食堂の需要が増えることが予測されます。

子ども食堂=貧困家庭の子どもを集めるところではない

子ども食堂は貧困家庭の子どもだけを集めて、食事を提供しているわけではありません。家庭の経済状況は関係なく、誰でも利用できます。

「子ども食堂=貧困家庭の子どもを集めるところ」と誤解されるようになったのは、2013年に「子どもの貧困対策に関する法律」が制定されてからです。マスメディアに注目されるようになった際に「子どもの貧困対策として行われている」と説明される場面が多くあったことが原因ではないかと考えられています。

また、運営者の意識に「子どもの貧困問題」があり、自然と意識が貧困状態の子どもに向いてしまっていたこともひとつの要因と考えられます。

子ども食堂は「貧困家庭の子どもが集まるところ」ではなく「地域交流の拠点である」と認識しておくといいでしょう。

子ども食堂の役割

子ども食堂にはさまざまな役割があります。ここでは主に以下の4つを紹介します。

・子どもの食育活動

・地域交流の場

・子どもの貧困対策

・子どもの居場所の提供

それぞれについて解説します。

子どもの食育活動

子ども食堂は、食事の提供をしているだけではありません。運営者は、さまざまな目的を持って活動しています。

そのうちのひとつが「食育活動」です。食に関する体験や知識を増やすために「配膳の手伝い」や「食材の旬や栄養について話す」などの取り組みをされている子ども食堂もあります。

また、共働きや1人親世帯の子どもは、1人でご飯を食べる「孤食」になりがちです。このような子どもたちにとって、みんなでご飯を食べる「共食」は、食育にとっても大切なことです。

地域交流の場

子ども食堂は、地域交流の場にもなっています。最近では、ご近所同士や同じ地域に住んでいる方々とのつながりが少なくなっている方もいることでしょう。

未就学児から高齢者まで幅広い年代の方が利用し、多世代が交流することで、さまざまな経験談を聞いたり、多様な価値観に触れたりすることができます。

地域交流の場になることで、地域の活性化や高齢者の健康づくり、子育て支援、世代をまたいだ交流などにも役立っているでしょう。

子どもの貧困対策

子ども食堂は経済的な支援はできませんが、貧困によっておこる問題の一部をサポートすることができます。貧困は経済的な理由だけが原因ではありません。社会的・環境的な理由から貧困から抜け出せなくなる場合もあるのです。

親子で子ども食堂を利用すれば、家事・育児の負担軽減になり、一息つける空間になります。母親の負担を軽減することが虐待予防につながり、深刻な状態に陥ることを予防できるでしょう。

子どもの居場所の提供

子ども食堂の役割として「1人じゃない」と安心できる居場所の提供があります。現代社会において、共働きや1人親のため「1人で食事をしている」子どももいるでしょう。

また、子ども食堂では食事の提供だけではなく、学習の支援を行っている場所もあります。家庭環境や経済的な理由によって、十分な食事や学習を受けることが難しい子どもたちにとって、大切な居場所になっているでしょう。

子ども食堂の開催状況・頻度

2023年の「むすびえ」のアンケート結果では、会食形式の子ども食堂を開催している割合が7割を超えました。ただ、「コロナ感染防止の対策が難しい」「活動場所が利用できない」などの理由から開催ができていない子ども食堂もあります。

また、ボランティアで運営している子ども食堂がほとんどのため、開催頻度はさまざまです。365日3食提供しているところもあれば、週に1〜2回程度開催しているところもあります。

多くの子ども食堂は月1〜2回程度の開催で、毎日開催しているところは多くありません。

子ども食堂のメリット

子ども食堂を利用するメリットは、以下のとおりです。

・無料または格安で食事を提供している

・コミュニケーションの場になっている

それぞれについて解説します。

無料または格安で食事を提供している

子ども食堂は、無料または格安で食事を提供しています。例えば、子どもは無料で、大人が100〜300円程度で食事が可能です。

子どもが有料の場合でも、100円程度で食事を提供しています。

コミュニケーションの場になっている

子ども食堂は、オープン型であり「誰でも利用可能」です。みんなで食事をするため、コミュニケーションの場になっています。

多くの人とコミュニケーションを取ることで、さまざまな価値観に触れたり、同じ趣味の友達ができたりする場合もあるでしょう。

子ども食堂の今後の課題

子ども食堂の今後の課題としては、以下のような内容があげられています。

・来てほしい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しい

・運営スタッフの確保が難しい

・運営費の確保が難しい

子ども食堂の多くが、ボランティアの方によって運営されているため、上記のような課題が出てきます。

今後の課題を解決していくために、子ども食堂だけではなく、行政や学校などが連携して課題解決に向けて取り組んでいく必要があるでしょう。

子ども食堂の普及がSDGs につながる

国連が掲げるSDGs17の目標の1番目が「貧困をなくそう」です。そのほかにも「飢餓をゼロにしよう」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」などの目標があります。

子ども食堂では、栄養バランスの取れた食事を提供したり、学習の支援をしていたりします。子ども食堂の普及が日本のSDGsを考えるうえで有効なツールになるでしょう。

子ども食堂の運営元

子ども食堂の多くは、地域のボランティアやNPO法人、社会福祉法人、民間の団体、行政などが運営しています。

民間の団体や行政は直接運営するだけではなく、子ども食堂の運営支援や普及啓発など、さまざまなサポートを行っています。

子ども食堂への支援方法を紹介

子ども食堂への支援方法は、以下の3つです。

・寄付

・ボランティア

・情報発信

それぞれについて解説します。

寄付

個人で行う寄付の方法は「お金」と「物」の2とおりです。お金の場合は、NPO団体・法人やふるさと納税を通じた寄付などがあります。

直接お金を寄付する以外にも、使用しなくなった本やDVDなどを寄付することも可能です。

ボランティア

運営スタッフとして参加することも、子ども食堂の支援になります。子ども食堂では、スタッフの確保に困っている場所もあります。

金銭的な寄付だけが、子ども食堂への支援方法ではありません。何かしらの支援がしたいと考えている場合は、ボランティアスタッフとして子ども食堂の運営に関わってみてもいいでしょう。

情報発信

子ども食堂のひとつの課題になっていたのが「来てほしい家庭の子どもが来てくれない」ということです。

子ども食堂の開催状況や運営の様子などを情報発信していくこと重要な支援になります。

まとめ:子ども食堂は地域交流の場になっているが運営課題が多い

子ども食堂は誰でも利用可能なため、さまざまな世代の方が集まります。つながりの減った現代社会において、大切な地域交流の場として期待されています。

コロナ禍で、子ども食堂の需要は増え、全国的に数も増えましたが、運営費やスタッフ不足など、多くの運営課題もあるのです。

子ども食堂にボランティアとして参加したり、情報発信をしたりなど、さまざまな方法で支援ができるため、あなたが行える方法で子ども食堂の支援を検討してみてください。

渡口将生

介護福祉士
介護支援専門員
認知症実践者研修終了
福祉住環境コーディネーター2級

介護福祉士として10年以上介護現場を経験。その後、介護資格取得のスクール講師・ケアマネジャー・管理者などを経験。現在は介護老人保健施設で支援相談員として勤務。介護の悩み相談ブログ運営中。NHKの介護番組に出演経験あり。現在は、介護相談を本業としながらライターとしても活動、記事の執筆や本の出版をしている。