介護職のお悩み
2022-09-05
介護の夜勤あるある3選!知れば乗り切れる夜勤のお仕事
介護施設の夜勤は、「大変」というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。たしかに少人数で多くの利用者をケアしなければならないため、一人にかかる責任が大きいことはありますが、大変なことばかりではありません。夜勤だからこそ見られる利用者の意外な一面や、普段の業務ではなかなか体験できないこともたくさんあります。今回は、「介護施設の夜勤あるある」裏話。長時間の夜勤を乗り切るためのアドバイスやコツなどもご紹介します。
こんな夜勤は嫌だ!イライラ&バタバタ編
夜勤は、「静か」「ひま」とイメージされる方もいるかもしれませんが、実際にはやることは多く、特に日勤から引継ぐタイミングはドタバタすることが少なくありません。夜勤に入ったときに、「こんなスタートは絶対嫌だ!」というケースを見てみましょう。
日勤帯の仕事が終わらず、夜勤にまでしわ寄せがくる
日勤で急な欠勤者や利用者の体調不良などの救急対応などで日勤帯の業務が終わらず、そのまま夜勤までひきずってしまうことがあります。また、当日のメンバーによっても業務スピードが違うと終わる仕事も終わらず、夜勤者がやらなければならなくなるケースがあり、イライラしてしまいます。
組んだメンバーによって業務負担が大きくなる
夜勤で一緒に組むメンバーによって仕事量の差が出ることがあります。特に経験が浅い人や仕事のペースがゆっくりな人、指示を出さないと動けない人と組んだ場合は大変です。自分でやったほうが早いと助けてしまいがちですが、結果的に業務量は多くなり、心身ともに疲れてイライラしやすくなります。
早番に注意される
夜勤でもっとも大変なのが起床介助、モーニングケア、排せつ介助です。どれも早番が来るまでに、ある程度終わらせておかなければならない業務ですが、利用者の状態によってはスムーズに終わらないこともあります。
そんなときに早番の職員から「なんで終わってないの?」「夜勤はひまでしょ?何してたの?」と言われてしまいイライラ! 夜勤業務は、少人数でたくさんの利用者を看なければならず、状況を説明してもわかってもらえない職員もいるのでがっかりすることもあります。
急変時看護師に連絡がつながらない
夜勤では看護師がいない施設が多く、たいていオンコール対応になっています。急変時に看護師から指示を仰ぎたいのに何度コールしても出てもらえない、やっと出てくれたとしても寝ていたのを起こされたので不機嫌に対応されます。「こっちだって申し訳ないと思っているよ!」と思いながら目の前の利用者の対応もしなければならないので、イライラしてしまいます。
心温まる!利用者&同僚のほっこり編
イライラしてしまうことも多い夜勤ですが、夜勤だからこそ体験できることもあります。普段では見られない利用者の意外な一面が見られたり、夜の深い時間に同僚と話すことができ、お互いを知ることができたりすることもあります。ここでは、3つの“夜勤あるあるエピソード”をお伝えします。
夜勤帯はゆっくりと時間が流れる
日中はバタバタしていることが多く、職員も利用者とゆっくり話す時間が、なかなかとれません。しかし、夜勤帯になり、利用者が起きている場合は、ゆっくり話すことができます。日中には聞いたことのないエピソードを話されたり、夜勤者を労うような声をかけてくださったり、慌ただしい日勤帯にはない、独特の空間と雰囲気が、夜勤帯にはあります。
「夜勤は大変だけど、嫌いじゃない」という介護職員が少なからずいるのも、この夜勤帯の雰囲気が要因かもしれません。
一緒にお茶タイムでコミュニケーション
施設の就寝時間は、20〜21時と早めなのが一般的ですが、元々遅くまで起きていた利用者の多くはすぐ眠れません。そんなときに、ある程度就寝介助が終わって戻ると「一緒にお茶でもしませんか」と、利用者が職員を誘ってくることがあります。
実際にあまり時間はないのですが、そのなかで一緒にお茶を一杯飲んで話をするだけでも、ゆっくり利用者の話を聞けたり、自分自身も少しゆったりできたり、お互い笑顔になれる時間が過ごせます。
一緒の夜勤を組むスタッフとの関わり
「良かったらどうぞ!」と何気ない差し入れ交換や、スタッフ同士でいろいろな話ができるのも夜勤帯ならではです。日勤に比べ、夜勤は少人数になるため、スタッフ同士のコミュニケーションも密になります。そうした会話から、ペアを組むスタッフの今まで知らなかったことや、意外な一面を知れると、その後の人間関係が良くなることがあります。
今まであまり話したことがなく苦手だった人も、夜勤を通じて距離が縮まったという話はよく聞きます。
そして、毎回ではありませんが、「大変な夜勤帯」を共に乗り切った!という連帯感が、スタッフ間の絆を深めることにもなります。
夜勤で一番辛い。これで乗り切れる!眠気解消編
夜勤帯に仕事をすると、どうしても身体のリズムは崩れるため、コンディションを整えるという点でも留意する必要があります。具体的に夜勤を担当するうえで、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。ここでは、夜勤前、夜勤中、夜勤後に分けて、それぞれの時間帯の過ごし方についてご紹介します。
夜勤前の過ごし方
「夜勤だから朝がゆっくり」という理由で、前日に夜ふかしをし過ぎることは、避けたほうがよいでしょう。しっかりと睡眠を確保した状態で夜勤に臨まないと、勤務中に身体が辛くなります。前日の過ごし方にも気を配りましょう。
夜勤中の過ごし方
勤務時間が長い夜勤の場合は、食事をとる休憩とは別に、通常、仮眠する時間も設けられています。施設ごとに仮眠ができる環境は異なりますが、共通して言えることは、仮眠中はしっかり休憩をとることが重要だということです。
短時間では寝付けない人も多いとは思いますが、スマホなどを見て過ごすのではなく、横になって目を閉じて休むだけでも、身体も脳も休まります。
また、休憩直後や、排せつケア、起床介助に入る前には、軽めでもよいのでストレッチをしてからスタートすることで、腰痛予防や、疲労防止につながります。
夜勤明けの過ごし方
日勤帯とはまた違う、達成感と解放感に溢れるのが夜勤明けです。帰ってゆっくり休む人、帰ってすぐに出かける人、それぞれの過ごし方があると思いますが、夜勤明けにあまり無理をせず、通常の生活リズムに少しずつ戻していくことを意識して過ごすことが大切です。解放感からくる、暴飲暴食も避けたほうがよいでしょう。
介護施設の夜勤は大きく分けて2種類
厳密には事業所ごとに異なりますが、通常、介護施設の夜勤には、夕方に出勤(16時前後)〜夜(21時前後)までの短時間勤務と、夜に出勤(21時前後)〜翌朝(7時前後)までの長時間勤務の2種類があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
短時間勤務(16:00~21:00) | ・身体の負担は長時間夜勤より少ない | ・夜勤入りか夜勤明けが公休扱いになることもある |
長時間勤務(21:00~7:00) | ・手当が良い ・公休と夜勤明けが分けられるため、休みがしっかり確保されている | ・身体的負担が大きく、疲労が残りやすい ・身体のリズムが崩れる |
もしこれから求職する人や、転職を考えている人は、夜勤をするかどうか、その場合の時間や条件などを確認しておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、介護施設の夜勤の大まかなイメージ、リアルについてご紹介しました。
もちろん、事業類型が異なり、利用者やスタッフもそれぞれ違います。現場の数だけ夜勤の種類があるといっても過言ではありません。日勤帯とは違う業務内容やルールもあります。はじめての場合は不安も多く、失敗やトラブルに遭遇することもあるでしょう。慣れるまでは身体のリズムを整えるのに苦労するかもしれません。
しかし、夜勤を繰り返し経験していくうちに、仕事内容にも夜勤のリズムにも、だんだんと慣れていきます。個人差はありますが、次第に楽しく感じられるようになるかもしれません。
夜勤帯を支えてくれる介護職員がいるからこそ、介護施設が成り立っていると共に、利用者の生活も、利用者のご家族の生活も支えられています。大変というイメージがありますが、尊い仕事であることは間違いありません。利用者や利用者のご家族の方が安心して日々を暮らせるように、夜勤の方々が勤めていることを、多くの方に知っていただければと思います。